2013年12月19日木曜日

『リーガルハイ』と『スペック』にみる法の脆弱性


昨日で『リーガルハイ』のシーズン2も幕切れ。
言うまでもなくシーズン1とのもっとも大きな違いは、メインストーリーとして小雪演じる安藤貴和の"死刑"をめぐる裁判が進行していきながら、エピソード毎のサブストーリーも進行していくという二重構造。
そして昨日の最終回ではいよいよ安藤貴和の裁判に決着が。
岡田将生演じるラブ&ピースが信条の善良な弁護士・羽生晴樹が1話からじつは狡猾に種をまき続けてきていたことが明らかに。
最終回前にはこんなツイートもしていたのですが、 ラストも期待を裏切りませんでした。
羽生が安藤貴和の情状酌量を主張するに至るや、民意も三度反転していく。
このあたり、ウェーバーのカリスマ論などを想起せざるを得なかったわけですが。

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リーガルハイの主題としてあるのは、「法」とどのように対峙していくか、というものがあります。
一番わかり易い設定としては、古美門がただ裁判に勝ち、報酬を得ることだけを追求するのに対し、新垣結衣演じる新米弁護士・黛真知子はあくまでも「真実の解明」を追い求める。シーズン2からは、正義の権化のような羽生が加わり、「法」の脆弱性が次第に明らかにされていく。

真実が二転三転を繰り返し、正義も不正義とコインの裏と表かのように入れ替わっていく。



中身も主題も異なる『スペック』シリーズですが、このドラマでも「法」の不完全性が露見されていきます。

『スペック』では超人的な能力を持った人たちを"スペック・ホルダー"と呼び、その集団とそれを追いかける警視庁公安部公安第五課、通称「未詳」がバトルを繰り広げていくわけですが、法治国家のルールに則っていては歯がまったく立たないということで、超法規的な手段で対抗していきます。

まったく違う主旨のドラマですが、いかに「法」「真実」「正義」といったものが、不全であるか、主観に左右されるか、それを考えるキッカケを与えてくれるという点では一定の共通項が見出だせます。



【前回のドラマの話題】⇒「ドラマ『クロコーチ』とテレビ業界に巣食ういくつかのタブー

【「リーガルハイ」関係の話】
「リーガル・ハイ」シーズン2が始まりました
「半沢直樹」が50%で幕を閉じ、「リーガル・ハイ」シーズン2がはじまります
リーガル・ドラマはなぜかくもこうおもしろいのか

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