2015年7月11日土曜日

読書『紋切型社会―言葉で固まる現代を解きほぐす』武田砂鉄著


「cakes」や「Yahoo!ニュース」で名前を目にすると、ついつい読んでしまうWEBでは数えるくらいくらいしかいない、ライター名で記事を読んでしまう書き手の処女作。

たとえば「SEKAI NO OWARIは「中2病」ではなく「高3病」」のようにトレンドとなっている時事ネタを痛快に読み解き、一刀両断に斬りまくるのが気持ちいい。
本著ではちょっと肩に力が入りすぎたのか、伝えたいことに対して、言葉が変に力みすぎてて、読みにくい部分も散見されたが、それでも読みの深さと比喩やライティングテクニックはさすがの一言。
勉強になります。
この本で試みていることはおそらく一つで、あとがきから引用。
決まりきった言葉が、風邪薬の箱に明記されている効能・効果のように、あちこちで使われすぎている。どこまでも自由であるべき言葉を紋切型で拘束する害毒を穿り出してみたかった。言葉は人の動きや思考を仕切り直すために存在するべきで、信頼よりも打破のために使われるべきだと思う。誰からともなく処方箋が示されている言葉に縛り付けられるのではなく、むしろ覆すために、紋切型の言葉をああだこうだ解体してみようと思った。
紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす
武田 砂鉄

朝日出版社
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