2015年7月23日木曜日

読書『断片的なものの社会学』岸政彦著


昨日、二子玉川の蔦屋で購入した本を読了。
「社会学」とタイトルにありますが、内容は断想が連ねられたエッセイに近い。
この本は何も教えてくれない。ただ深く豊かに惑うだけだ。そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。小石や犬のように。私はこの本を必要としている。(星野智幸)
と帯にあるように、この本では社会学的になにかを追求したり、実証的に証明したりするのではなく、”分析されざるものたち”を取り上げ、あったかもしれない未来を重ねながら、筆者の岸さんが優しい筆致で思いを馳せていく。

帯の裏側に書いてあった文章が全てを要約してくれているので引用。
どんな人でもいろいろな「語り」をその内側に持っていて、その平凡さや普通さ、その「何事もなさ」に触れるだけで、胸をかきむしられるような気持ちになる。梅田の繁華街ですれちがう厖大な数の人びとが、それぞれに「何事ものない、普通の」物語を生きている。
どこかの学生によって書かれた「昼飯なう」のような つぶやきにこそ、ほんとうの美しさがある。[...]小石も、ブログも、犬の死も、すぐに私の解釈や理解をすり抜けてしまう。それらはただそこにある。[...]社会学者としては失格かもしれないが、いつかそうした「分析できないもの」ばかり集めた本を書きたいと思っていた。
断片的なものの社会学

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