2013年12月5日木曜日

【翻訳記事】今、もっとも将来性ある10の大学の学部とは


この記事では、きわめて安定性が高く、高報酬、そしてあなたにとって喜ばしい仕事へつながる10の学部をピックアップしました。これらの3項目は学部を選ぶ上での指標となります。会社を選び、働き、キャリアを形成するにあたり、進学する学部というのはそれらに直結するものです。さらに言えば、学部で学びうること、取れる資格などは明るい未来へとあなたを導いてくれ、歳を取った時に苦労することもなくなるでしょう。

1. 会計学
An accounting degree


会計士といえば、企業のシニアマネージャーやビジネスリーダーが信頼を置く存在です。会社のリーダーやマネージャーは通常、自らで会計業務を行う時間がなく、会計学の学位を持った会計士の専門性に頼るしかありません。ですから会計士の多くは高額な報酬を受け取り、企業のマネージャーやオーナーは彼らを引き止めることに躍起になるのです。

2. マーケティング学
A marketing degree


マーケティング学を修めることで、あなたは現代ビジネスにおける企業の重役たちの一歩先を行けることになるでしょう。大企業に入る時点で、多くの人は少なからずいくらかのビジネスにおける知識を持ち合わせているでしょうが、マーケティング学を修めていれば、大企業の中でもっとも興味深い部署で働くことのできる可能性があります。重役・幹部たちが企業価値の低下に手を焼いている間、あなたは湯船に浸かりながらCMソングでも考えていればいいのです。

3. 経営学
A business administration degree



経営学は一見それほど魅力的な学問ではないかとお思いでしょう。著名人と一緒に働くわけでもなければ、容姿端麗な美男美女と働ける仕事でもありません。ですが、安全性の高い多くの場所で就労機会を得ることができるはずです。基本的に、働きたいと思える会社を自分で選び、その中でさらに自分にあったフィールドを見つけ出せば良いのです。しばしば忘れられがちですが、経営学を修めたスタッフは往々にして、どのような企業にせよ、ビジネスの屋台骨になっているものです。

4. 情報学
An information science degree


情報学を修めた者は、どのようなビジネスにあなたが参与するとしても、あなたを主役へと導いてくれるでしょう。ウェブサイトを構築したり、コンピューター・システムを作ったり、メンテナンスする仕事はきわめて需要の高い仕事です。

5. 機械工学(コンピュータ・エンジニアリング)
A computer engineering degree


現代においては、コンピューターに関するほとんどの資格は歓迎されます。しかし、コンピュータ・エンジニアリングの学位は他の競争者と比して、あなたを頭ひとつ分抜けさせてくれるでしょう。なぜならほとんど全ての中〜大企業が少なくとも一人のエンジニアを必要とするからです。担当する仕事としては、ネットワーク、コンピューター・システム、そしてソフトウェアの構築・メンテナンスが挙げられます。ほとんどの企業では併せて、ソフトウェア・デザインを行えるエンジニアも求めています。いずれにせよこの学位は高い需要の中にあると言えます。

6. 教育学
An education degree


大抵はひとつの教科に特化し、そのあとで必要な資格を満たすことで教師になります。おそらく教師は国内ではもっとも魅力的な仕事とは言えないかもしれません。ただし、需要市場であることに疑いはありません。イギリスの社会学者によれば教育学を修めた者は、10年以内にマネージメントの役職に就くことが他の学位に比べ高いと指摘されています。

7. 刑事司法学
A criminal justice degree


刑事司法を修めてもビジネスの世界ではそれほど活かすことができないかもしれません。ですが、法曹界ではきわめて高報酬の職に就けることでしょう。近年では、自社内に刑事司法を扱う部署を設けている会社もあります―そこでは報酬の高く、とても安定性の高い職があてがわれるはずです。高報酬でありながら、同僚から尊敬を集めることのできる仕事と言えるでしょう。

8. コンピュータ・サイエンス学
A computer science degree


コンピューター・サイエンスの教育(註1)はビジネスを射程に入れたものになっており、この種の学位を修めておけば労働市場の必要用件を楽に満たすことができるでしょう。具体的な仕事としては古いバージョンのソフトウェアをアップデートしたり、新しいソフトウェアを開発することで雇用してくれた会社の効率を向上させることが期待されます。このような職務内容はチャレンジしがいがあります。会社で進行中のプロジェクトの成功に直結し、常に自己のベストを追求していかなくてはならないインスパイリングな仕事と言えるでしょう。言うまでもないことですが、コンピューター・サイエンスの学位を持った者は常にジョブマーケットで必要とされる人材です。企業としても、高い報酬を払うことをいとわないでしょう。専門的な実務経験を積むにつれ、キャリアパスを着実に進み、プロジェクトの指揮をとれるようになるでしょう。

(註1)アメリカではコンピューター・サイエンスの重要性が広く指摘されており、教育の啓蒙活動も活発化してきています。たとえば"What Most School Don't Teach"(多くの学校で教えていないこと)という動画にはマイクロソフトのビル・ゲイツ、ファイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ドロップボックスのドリュー・ヒューストン、さらにはブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムなどがコーディングを学ぶことについて熱弁をふるっています。僕の友達がトランスレートした大阪弁ver.もあるので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

9. ジャーナリズム学
A journalism degree


おそらくジャーナリズムの学位(註2)を修得したものは、大企業で勤めることは難しいかもしれません。ですが、確実に大規模にせよ小規模にせよ情報を提供する会社への就職口は広いと言えます(実際、あなたが考える以上に求人は多いのです)。ジャーナリズムの学位は便利なものです。というのも、要領さえ良ければ契約を獲得したり、フリーランスでノマドに仕事できるのです。多くのジャーナリストは定年を越えて仕事を続けます。単純に衰えることがないからです。

(註2)日本でジャーナリズムの学位を取ろうと思った場合、筆頭に挙げられるのはおそらく早稲田院の政治学研究科のジャーナリズム・コースではないでしょうか。何年前に慶應の法学研究科にも設置されてました。
世界的な走りとしてはやはりコロンビア大学のジャーナリズム・スクールだと思われます。

10. ファイナンス学
A finance degree


皮肉なことですが、グローバル規模の経済不況の後、ファイナンスの学位の価値は上がりました。(これは正しいことと断っておきますが)人びとは金融機関を財政危機を引き起こした当事者として糾弾しましたが、人々がより融資やお金そのものに用心深くなったことでファイナンスの学位の価値は上がることとなりました。企業はしっかりファイナンス学部・学科で教育を受け、十分な専門知識を備えた従業員を慎重に選ぶようになりました。自社や顧客のお金を、簡単に失くすことができなくなったからです。ということもあり、ファイナンスはきわめて高価値な学位といえるでしょう―少なくとも近い将来においては。


著者(Author):Emily Lucas
(元記事:10 Most Useful College Degrees In 2013 - Lifehack)

※大筋の本意が伝わればと思い、爆速でザックリとに訳しているので、多分に意訳を含んでいます。誤訳や内容での指摘があればコメントお願いします。
なお註釈は、僕が個人的に加えたものであり、Lifehackの原文にはありません。


静岡での平穏なスローライフも残すところ1日となりました。

今回の翻訳記事もLifehackから。
ビジネス書などでも頻繁に見かける「〜10の方法」「〜15の法則」などという類の本。書籍の形だとあまり好んで読むことはないのですが、ウェブ記事だとわりと読んでしまいます。サクッと速読しやすいので。

これからの時代はリベラル・アーツ的な広く薄いナレッジよりも、一つの専門に特化したエキスパータイズを研磨する方がベターというのは広く喧伝された見方で、この記事もその主張に則したもので、さらに広いパースペクティブから次の時代のキャリアパスについて詳述された図書だとリンダ・グラットンさんの『ワーク・シフト―孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』も一読の価値があります。

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リンダ・グラットン,池村 千秋

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個人的には7番のクリミナル・ジャスティスが面白いと思いました。
キモとしては、旧来までのいわゆる"弁護士"は逆に苦境に追いやられれいるということです。
一説によると過去10年で業界全体の平均年収が3分の1ほど低下しているとか。
法科大学院制度が変わったり、需要は減っているのに、供給は増えているので当然の成り行きとも言えますが。(とはいえ、あそこまで過激な弁護士はいないにせよ『リーガルハイ』の古美門のような敏腕弁護士はこれまで通り高給取りだと思います)
個人的には(この記事と相反しますが)学位や資格はそれほど重要ではないのかと思っています。
額面よりも、実務力が重要だと思います。(もちろん企業の側からみたときのスクリーニングには今なお有効ですが)

この記事では直接は言及がありませんでしたが、個人的にはますますビッグデータの重要性が増していく中で、膨大なデータを扱う、データアナリストがもっとも"食いっぱぐれない"職業なのではないかという気がしてます。
2011年にマッキンゼーが発表した「Big Data: The next frontier for innovation, competition, and productivity(ビッグデータ:イノベーション、コンペティション、プロダクティビティの次のフロンティア)」というレポートによればアメリカ国内だけで2018年までに、高等なアナリティクスができる人材が約19万人不足し、大規模なデータのアナリストがなんと150万人不足すると予測しています。

学部・研究科の話に戻すと、僕が進学する学際情報学府というところは、時代に逆行しているのではないかと思われる人がいると思います。
需要・供給ベースで考えると、上述されたような学部に人が集中するようになり、均衡点に向かっていきます。

そうした中で、あらゆる専門を鳥瞰的に行き来し、有機性をもたらすことのできる人材はいつの時代も不可欠だと思っています。(「学際」とはあらゆる専門学問を横断的に研究するということで、文系・理系のような柵は当然ありません。学際とはいえ、基礎を置く専門がまずあっての話です)

たとえば人工知能をやっている人、その横ではユビキタス・コンピューティング、はたまたより精緻な地震予知システムの開発・研究にあたっている人、かと思えばファッションの歴史を学んでいる人もいる。
学問の垣根を越えた、それぞれの専門を持った人々がひとつの"場"でときにコラボレーションしながら、「学際」的なアプローチで共に研究を進める。
専門化の潮流の中で、それをコーディネート、接合できる人材も必要になっていくと思います。繰り返しになりますが。

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