村上訳で『フラニーとズーイ』を読む。
ヘンリー・ミラー『北回帰線』にしろ、ギラギラした筆致で(おそらくハイな状態で?)一気呵成に書かれた文章というのは、読む度に発見がある。
フラリーの章はどこかしっとりとした上品な展開で物語が進んでいくのだけれど、ズーいに移った途端、ある意味猥雑なように、そして抽象度を上げながら物語は進行。
宗教、そして信仰のくだりでは『カラマーゾフの兄弟』のミーチャを想起してしまいました。
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神谷さんの淀みなく流れるような喋りを聞いていると、自分が早く話せないことに苛立つ時があった。頭の中には膨大なイメージが渦巻いているのに、それを取り出そうとすると言葉は液体のように崩れ落ちて捉まえることが出来ない。
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本書は、近代的な都市化のなかでの盛り場の意味的な機制の変容を、都市に集合した人々の相互媒介的な身体性の側から捉え返すことを目指したもの。とあるように、都市論をドラマトゥルギー=演技論の視覚から捉え返した論考。
〈演じる〉ことの根底にあるのは、間身体的な相互性を超越論的な審級との相互性に媒介していく、文字通りドラマティックな運動である。<浅草なるもの>から<銀座なるもの>へ、そして<新宿なるもの>から<渋谷なるもの>への 通時的な都市の変遷が理論的に論証されていくのが、個人的には方法論として、論の組み上げ方として非常に勉強になりました。
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