今でいう高校の卒業に際して当時17歳のマルクスが書いた「職業の選択にさいしての一青年の考察」という文章が将来の進路に頭を悩ませ、路頭に迷っている就活生の一助になるような示唆に富んだものだったので紹介したいと思います。
「地位の選択にさいしてわれわれを導いてくれなければならぬ主要な導き手は、人類の幸福であり、われわれ自身の完成である。これら両方の利害がたがいに敵対的にたたかいあうことになって、一方がほろぼされなければならないなどと思ってはならない。そうではなくて、人間の本性というものは、彼が人間と同時代の人々のため、その人々の幸福のために働くときのみ、自己の完成を達成しうるようにできているのである」17歳とは思えないほどに、鋭い視座を持ってして社会のあり方を展望し、文章として貫いています。
マルクスの終生を知る後世のわたしたちは彼が言葉だけでなく、それを行動に移し、「平等」を追い求め続けたことを知っています。
富や地位、を利己的に求め続けること、それを根拠に据えて進路を選ぶことでは決して人生の完成は訪れることはない。
社会は多くの他者との複雑な関わり合いの中で、お互いに持ちつ持たれつ幸福を積み上げていくことで、結果として成り立っていくものであると彼は言っているのではないでしょうか。
自分がやりたいことは、社会にとって、同じ社会で生きる人にとっていかなる意味を持ちうるのか、一度視点を自分の外まで拡張してみることで、自ずと答えもクリアにあるのかもしれません。
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