Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2014年4月16日水曜日

読書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』坪田信貴著


教え子にプレゼントしようと思い購入し、まずは自分が目を通してみました。
ざっくり1時間強で読めます。2日の昼休憩で読みました。

生徒には宿題とはべつに電車の中で課題図書を読んでもらっています。
本を読むことは現代文や小論文のみならず、英語にも良い影響があります。
長文では既知のジャンルはスラスラ読めるようになるし、英作文の表現も豊かになる。
なによりも高校のときに読書習慣をつけれれば、周りよりも色んな意味でスタートダッシュをはやく切れるのです。
なによりも狭隘な価値観が脱構築され、世界の広さを知れます。
毎日、学校に通っていれる"教室の中"という狭い世界観が固定化して、想像力が育まれません。
本を読めば、自分の世界とは離れた所で、同時的にさまざまな事柄が生起していたり、「あー、こんな凄い人もいるのかあ」と多種多様な人々の考えに触れることで、自分自身が感化されていきます。

僕だっておんなじです。
親戚など周りに大学まで進んでいる人はほとんど皆無で(職人一家なので)、自分も勉強なんてできるわけないと信じきっていました。
そのため高校に行かないで就職、もしくは最底辺の商業高校に進学しようかと考えていたのに、ある一人の先生と出会い、そして本をたくさん読むようになったことで、気づけば大学院にまで進んでいたのです。

この本の主人公サヤカちゃんが、一人のギャルJKだったのにも関わらず、たゆまぬ努力の末、慶應に現役合格したことはもちろん賞賛すべきことですが、世界、歴史を見渡してみたとき、それほど凄いことでもないのです。
そういう意味で中高生は伝記や自伝を読むのがいいのかもしれなません。人生の針路が不明確なとき、先人たちの辿ってきた途、そこで考えた思索に触れることで、おのずと自分の行末のヒントになります。それはリレーのバトンのようなもので、そういった偉人たちも、その先にいた偉人たちの苦悩や経験を参照しながら、歩を進めてきたのだと思います。

この本は主に指導者や保護者向けに心理学の視点を交えながら、サヤカちゃんの合格体験に沿って書かれた教育書です。
ですが、あえてこれを僕は生徒に読ませるつもりです。
この前まで読んでもらっていたのは『ドラゴン桜』。

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『ドラゴン桜』では実際にどうやって勉強していくのがいいのか、生徒目線も交えながらだいたいの感覚を掴んでもらいつつ、モチベーションを上げる。
この『学年ビリの〜』に関しては、自分を見守る・応援する側の人たちがどのような想いで、はたまた戦略で自分を引っ張ろうとしているのかを知る。
なかなかこういう機会はありません。
両方の視野に立ってみることで、受験というものも遠目から、広量的に捉えられるようになるのではないかと思ったのです。

本のなかで、多くの人は「やる気になる→やる→できるようになる」と思っているに対して、本当は違くて、「やってみる→できる→やる気になる」が正しい経路なのだという記述がありました。
これはぼくの家庭教師経験、そして自分自身が生徒だったときの経験から照らしてもとても正しい指摘だと思います。
僕もある時、生徒の成績が伸び悩み途方に暮れていました。
それでも粘り強くお互い勉強していく中で、ある期末テストで97点という今までじゃ考えられない点数を叩き出したのです。
それ以来、グングン伸びています。
この「私でも出来るんだ!=成功体験」が一度あると、それがバネになって一気に成長曲線が上昇します。
このように生徒を教える中で、どうやってモチベーションというものが維持されたり、喚起されたりするのかを観察していると、ある"動線"のようなものがあることに気付かされ、自分自身の学びにもなります。

サヤカさん本人のメッセージはコチラ。


あ、全然関係ないですが、友人の会社も開発に携わってる「資格サプリ」というものを宣伝しときますね。笑
TOEICとか簿記も勉強できるそうです。

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