Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer
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2015年1月1日木曜日

2014年に読んだ170冊から選ぶ10冊のブックレビュー


さくねんにも書いた「2013年に読んだ250冊から選ぶ10冊のブックレビュー」に引き続き、今年も読んだ本の中から10冊ほどのレビューを。

鎌倉の山奥の別荘のウッドデッキに吊られたハンモックにゆらゆら揺られながら、書いています。

フリーターだった昨年から読書量は80冊ほど減ってしまい、十分な読書時間が確保できませんでした。
主に移動中の電車内で読むことがほとんど。
ブログのエントリー数自体も劇的に減ってしまいました。

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1. 『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』千葉雅也著

動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学

この本で掲げられるテーゼは「接続過剰つながりすぎの世界から『切断の哲学』へ」。
詳しくは1月にブログを書いているので、詳細はそちらに譲るとして、のちに表象文化論学会の学会賞と紀伊國屋書店のじんぶん大賞を受賞なさったんですよね。
現代思想の学術書としては(分厚さや値段なども勘案すると)ある意味快挙というか、83年に当時26歳だった浅田彰さんが書いた『構造と力』に通ずるところがありそう。
構造と力―記号論を超えて構造と力―記号論を超えて
浅田 彰

勁草書房
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というか、当の浅田さんも本著の帯に推薦文書かれているんですよね。
ドゥルーズ哲学の正しい解説?そんなことは退屈な優等生どもに任せておけ。ドゥルーズ哲学を変奏し、自らもそれに従って変身しつつ、「その場にいるままでも速くある」ための、これは素敵にワイルドな導きの書だ。
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2. 『カラシニコフ』Ⅰ・Ⅱ 松本仁一著

カラシニコフ I (朝日文庫)カラシニコフ II (朝日文庫)

異名“アフリカの帝王”・元朝日新聞記者で、90年代には中東アフリカ総局長としてアフリカ報道の第一線に立ち続けてきた松本仁一さんのルポタージュ。
こちらの本も読後に感想などをブログに書いているので、詳細はそちらをご覧いただくとして、全体の読後感がわかる自分の一節を引用。
戦争/紛争の・飢餓/貧困の渦の目にあった“カラシニコフ”に諸悪の根源の糸をみた筆者。前巻でアフリカへ、後巻で南アメリカ、中東へ。カラシニコフが氾濫する世界の紛争地帯へと踏み入り、カラシニコフを追い、その武器に翻弄される人々の人生に肉迫していく衝撃のルポタージュ。一見、複雑きわまりなく混沌とした国際政治の論理。カラシニコフという、旧ソ連の無骨で真面目、愛国者精神溢れる男が開発・設計した一丁の銃から前世紀は新たなる争いへと足を踏み入れていくことになる。
松本さんの本で他にも断然オススメなエッセイとして『アフリカを食べる/アフリカで寝る』を挙げさせていただきたいです
アフリカを食べる/アフリカで寝る (朝日文庫 ま 16-5)アフリカを食べる/アフリカで寝る
松本 仁一

朝日新聞出版
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僕もカンボジアでリアルウルルン滞在記のごとく、縄文時代を思わせる竪穴住居でローカルフード(鶏をその場で絞め、どこの部位とも分からぬ内蔵を生食いしたこと。詳しくは「「首なし鶏マイク」から思い出すカンボジアでの一日」を)をいただいたり経験はいくばくかあるのですが、そんなのヒヨッコだと思わされる逸話の数々が(例えば羊の脳みそなど)。
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3. 『意志と表象としての世界』<1><2><3> ショーペンハウアー著

意志と表象としての世界〈1〉 (中公クラシックス)意志と表象としての世界〈2〉 (中公クラシックス)意志と表象としての世界〈3〉 (中公クラシックス)

これに関しても読了後にブログにまとめているので、そちらを参照ください。
われわれが生きかつ存在しているこの世界は、その全本質のうえからみてどこまでも意志であり、そして同時に、どこまでも表象である。
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4. 『政治の起源―人類以前からフランス革命まで』上・下 フランシス・フクヤマ著

政治の起源 上 人類以前からフランス革命まで政治の起源 下 人類以前からフランス革命まで

これもブログで取り上げて書いてますね。(こうみると前半はわりと備忘録をとっていたようです)
昨年のブックレビューでもビッグヒストリー系ということで、ジャレド・ダイアモンドを取り上げていますが、この本は人類学ではなく、あくまでも政治思想。
続編も刊行予定とのことなので、とりあえず待ちます。
近代の政治制度を構成する3つの要素―強力で有能な国家、「法の支配」への国家の服従、全市民に対する政府の説明責任―は18世紀末までに世界のいくつかの地域で確立された。中国は早くから強大な国家を発展させていたし、インド、中東、ヨーロッパでは法の支配が存在していた。そしてイギリスで説明責任を果たす政府がはじめて出現した。イエナの戦い以降の政治制度の発展においてはこうした制度が世界各地で模倣されたが、まったく新しい制度が追加されたわけではない。共産主義は20世紀に追加を実現しようとしたが、21世紀には世界の舞台からほとんど姿を消した。
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5. 『社会は情報化の夢を見る―ノイマンの夢・近代の欲望』佐藤俊樹著

社会は情報化の夢を見る---[新世紀版]ノイマンの夢・近代の欲望 (河出文庫)

この本自体を直裁的に取り上げたわけではなく、授業で一つのテクストとしてこの本を扱ったときに、そのときに振り返りを残しておく意味で「なぜわたしたちは夢を見続けるのか?―「技術決定論」の解体作業」というブログを書いたので、そちらに詳細は譲るとして、この本を読むことで「情報」という言葉に自己反省させられたというか、無自覚に技術決定論に絡め取られていないかを内省するいい機会になりました。
情報化社会論はいわばその実質を失うことで、つまり空虚な記号になることによって生き残ってきたのである。

そう、それはまるでファウストと悪魔との契約を思わせる。情報化社会論は永遠の若さと引き換えにその魂を売り渡した。情報化社会論が50年間死ななかったのは、それがすでに死んでいたからにほかならない。「生きている死体 living dead」ー情報化社会論がどこかホラー映画の悪夢を思わせるのも無理はない。
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6. 『もっとも美しい数学 ゲーム理論』トム・ジーグフリード著

もっとも美しい数学 ゲーム理論 (文春文庫)

ゲーム理論については大学時代から関心を寄せ続けてきたので、この本は超絶おもしろかったです。
ブログでもけっこう思いの丈を綴っているので、そちらをご笑覧ください。
ゲーム理論は、あらゆる科学(経済学、心理学、進化生物学、人類学、神経科学など)を統合する共通の数学言語を提供しており、これらの科学をパズルの駒のように組み合わせれば、命や精神や文化といった、集団としての人間行動の総体を明らかにする科学ができあがる。ゲーム理論の数学を物理科学の数学に翻訳できるという事実からも、ゲーム理論こそが、生命や暮らしと物理学とを統合する科学、つまり真の「万物の理論」をひもとくための鍵だといえよう
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7. 『百年の孤独』ガルシア=マルケス著

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

ノーベル文学賞受賞者の言わずと知れたコロンビアの作家ガルシア=マルケスの代表作。
マジックリアリズムの嚆矢にもなったとされる本作。
読めばよむほど、ジョジョの通奏低音というか、ジョースター家の血の物語を想起せずにはいられなかった。
ブエンディア家の者の心は、彼女にはお見通しだった。百年におよぶトランプ占いと人生経験のおかげで、この一家の歴史は止めようのない歯車であること、また、軸が容赦なく徐々に磨滅していくことがなければ、永遠に回転しつづける車輪であることを知っていた。
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8. 『海賊とよばれた男』上・下 百田尚樹著

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)

これはR社でインターンをしているときにお話をさせていただいた社員さんにオススメのビジネス書を尋ねたときに、薦められた作品。
もちろん百田尚樹作品は『永遠の0』をはじめ、目を通してきているし、この本も積読していた。
上下と読み終えた末に、なぜこの本を“ビジネス書”と言ったのか、その意味がわかった。
戦後直後、まさしく“グラウンドゼロ”の状態から人徳で邁進していく国岡鐵造から学ぶことが多々あった。
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9. 『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著

ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

今年読んだビジネス書の中ではダントツで良かったです。
未読の方はNEWSPICKSの「伝説の起業家・投資家 ピーター・ティール」という連載をまずは読んでみることをオススメします。
単なるシリコンバレー最前線の流儀(もちろんリーンスタートアップの要諦なども話はありますが)のみならず、「競争は資本主義の対極にある」という言葉にもみられるように、政治/経済制度のあるべき姿にまで踏み込んだ深度のある著作となっています。

リクルートのMTL(メディアテクノロジーラボ)所長の石山さんが、共著者のブレイク・マスターズにツイッターで直接連絡を取り、『ZERO to ONE』を翻案してリーン・キャンバスに落とし込んだものが公式に採用されたそう。(下図がそれ)


(東洋経済オンライン「シリコンバレーも驚く!リクルートの異端児」より。インタビュー記事も非常に面白いです)

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10. 『21世紀の資本』トマ・ピケティ著

21世紀の資本

おそらく今、世界で一番有名な学者の一人であろうフランスの経済学者トマ・ピケティの著作。
昨年、仏語から英語に翻訳されるなりAmazonで一位に踊りでたとのこと。
もともと僕も英語版をKindleで読んでいたのですが、あまりの分量に読み終えることができず、途中で中断していました。
その折、今月末に東大でピケティが講義することが決まり、(「トマ・ピケティ 東大講義『21世紀の資本』」)なんと僕の研究室が講義のお手伝いをすることになりました。
せっかくなので、高価ではありましたが邦語版も購入したのでした。
というわけで、まだ読み終えてないので、終わりましたら追記します。
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というわけで、今年は去年に比べるとあまり読書はできずじまい。
おそらく今年も修論のための読書が中心で、自由に読める本も限られてくると思うので、より一層選ぶ本の精査が重要になってきそう。
また2015年末にどうようのブックレビュー書きます!

2013年9月9日月曜日

読書『ネットがつながらなかったので本を1000冊読んで考えた』堀江貴文著

ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた  そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)

約半年前に『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』を読んで、それ以来のホリエモンの本を読了。
全部が全部というわけではないけども、ほとんどの本は目を通しているはず。けっきょく気になって手にとってしまう。
でも実際そのほとんどがサラリと読めてしまうので、燃費の良い読書ではある。
なんといっても文体がクリアカットで無駄な脚色はほとんどないから、実質知に対する無駄が少ない。省エネ。

獄中にいながらも、"情報脱獄"には成功していたといって憚らない氏。
というのも、刑務所内にある所蔵本などには目もくれず、ツイッターのTLをプリントアウトしたものや巷で話題の本、なによりも自身がもっとも注力している宇宙・ロケット関連の本は網羅的に読書したそう。

読書=インプットのさきになんらかの"アウトプット"を指向しなくては得られる情報の価値も減耗してしまうというのは読書論では常識ですが、(筋トレも一緒で闇雲にワークアウトするよりも、今どこに負荷をかけているのかを明確に意識するのとしないのとでは効果がまったく異なる)ホリエモンの場合は、かなりビジネスモデル・ジェネレイティング志向(business model generating oriented)といいますか、常に先端ビジネスモデルへの糸口をフックにしているのが行間から伝わってきます。

彼のようなマインドセットを持つことは最近では緩和されてきたのかもしれませんが、異端とされることが多いですよね。大手メディアの扱いなどを見れば明らかなように。
この本でも触れられているように、日本人の勤勉性(バブル期には"Japan As No.1"などと称揚されていたような)国民性は資本主義におけるアービトラージに敏感です。
だからホリエモンのようなアティチュードは忌避され、徹底的に叩き潰されます。

選書の多くがサイエンス系のノンフィクションで、ぼくも未読のものが多かったので、興味深く読ませていただいたのですが、あえて難点をいうとすればタイトルで1000冊と銘打っているわりには紹介されている本の数が少ない、ということ。
なにも本文中でその全てに言及してほしいというわけではなく、巻末にブックリストとして掲載してもよかったのではないかと。

いくつか既読のものもあって少し嬉しかったりしたのですが、phaさんの『ニートの歩き方』はつい先日、僕もブログで書いたばかりだったので。
この本に対するホリエモンの短評が爽快だった。
自殺対策が大変な官僚のみなさんにぜひ読んでほしい1冊である。
書評のなかには少なくないマンガも紹介されていて、いつ来るかなーと待っていたら案の定、後半で『グラゼニ』が取り上げられていました。
たしか以前、ダルビッシュが高給取りの野球選手を槍玉にあげて、ツイッター上で批判したファンを諭す形でプロ野球界について、その裏事情を語っていた記憶があるのですが、このマンガではそこらへんの事情がつぶさに笑うに笑えない形で描いています。
確実にナイターの見方が変わります。そして、一度くらいファームの試合に足を運んでみたくなります。

成毛眞さん

後半は『儲けたいなら科学なんじゃないの?』でもタッグを組んでいたHONZの成毛眞さんとの対談。
成毛さんのオススメ本まとめは岩波新書の『面白い本』ですね。

面白い本 (岩波新書)面白い本 (岩波新書)
成毛 眞

岩波書店
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<9/9追記>ご本人に御墨付きを頂きました。(SNSで何も流してないのに、ひとりでに本人の目に止まる。すんごい時代というか、なんというか)

2012年6月19日火曜日

読書『臆病者のための株入門 』橘玲著



「資本主義は差異から利潤を生み出す原理である」

株式投資はある意味で、他人の予想を予想するという奇妙なゲームなのである。

「宝くじは無地な人間に課された第二の税金」

株式市場とは、損を薄く広く分散させるためのシステムなのである。

株式の価値は、その会社が将来にわたって生み出すすべての利益を現在価値に換算したものである

債券投資とは、金利(割引率)を予想するゲームなのだ。

株式投資は一株利益を予想するゲームなのだ。

ファンダメンタルズ派は実在論者、テクニカル派は唯名論者となる。

トレーダーであれ長期投資家であれ、株式市場で成功するプレーヤーはみな同じことをやっている。富を創造するには、他人より先に市場の歪みを見つけるしかない。事業であれ、投資であれ、この原則は同じである。なぜなら、それが資本主義なのだから。

株式投資に「勝つ」合理的な方法は二つしかないことがわかる。市場の歪みを利用するか、長期投資で樹から果実が落ちるのを待つか。

大学生ブログ選手権

2012年6月16日土曜日

読書『心を整える』長谷部誠著


心が荒ぶっていたので、読んでみました。笑
アプリで読了。
期待通りでした。
キーワードとして「孤独」と積極的に向き合うことを挙げていました。
キム先生が言っていた「能動的な沈黙とは自分との最も積極的な対話である」という言葉を思い起こしました。
長谷部選手自身はこんな言葉を引用していました。
「ハチは暗闇でなければ蜜をつくらぬ。脳は沈黙でなければ、思想を生ぜぬ」
長谷部選手の裏にあるキャプテンシーや生真面目さ。



読書家でミスチルが大好きという共通項もいくつかありました。
オススメの書籍をいくつか挙げていたのですが、メンタル面で有益なものとして『「心の掃除」の上手い人下手な人』を推していました。
その中の一節にこんな言葉。
「どんなに沢山の事を考え、長い間準備したとしても、その場面になってどう判断するかが大事。人生とは生き物だから。常に状況は変わるから」
長谷部選手のブログもとても面白いです。
お宝写真がゴロゴロ。最新の写真だとキングと写っています。笑
代表選手のブログだとあとは吉田選手のもかなりアクセス数すごいそうですね。

心が荒ぶっている人にはぜひオススメの一冊です。



大学生ブログ選手権

2012年6月10日日曜日

読書『ユダヤ人大富豪の教え』本田健著


iPhoneアプリでざっくりと本田健さんの『ユダヤ人大富豪の教え』を読みました。
舞台はフロリダ。僕も1年を過ごした土地なので、風景描写など時々懐かしみながら読めました。

内容はというと、『金持ち父さん貧乏父さん』の影響が色濃いのかなーという気が。

気になった箇所をいくつか。

人生は、「考えること」と「行動すること」の二つできている。いままで考えてきたことと、思考の結果行動してきたことの集大成が君だ

お金とのつきあい方には二つしかない。お金の主人になるか、奴隷になるかの二種類だ

お金の知性とは、お金に関する知識のことだ。それは稼ぎ方であったり、使い方であったり、投資の仕方であったり、守り方であったりする。お金の感性とは、いかに健康的にお金と付き合うのか、ということだ。この感性的な側面を学ばなければ、いつまで経ってもお金の不安にさいなまれる人生になってしまう

お金の達人になる素晴らしさは、いったんそのレベルに達すると、人生からお金が消えてしまうこと。人生のあらゆる側面で、お金が君の邪魔をしなくなる

『いまは決断しないでおこう』という決断。これが、人生で最も大きい落とし穴のひとつだ

失敗とは、あきらめてしまったときにのみ起こる現実なのだよ

人生がもたらす、すべてを受け取る

なにごとも動じずに、淡々と生きることが、いちばん大切な心構えなのだ。外の状況がどうゆうものであれ、感謝と平安のみを選択しなさい。それが現実なのだから


大学生ブログ選手権

2012年6月9日土曜日

読書『媚びない人生』ジョン・キム著


ジョン・キム先生(@kimkeio)の新著『媚びない人生』を読みました。
発売してすぐに購入したのですが、一気に完読してしまえば良いタイプの本ではないので、一日一日ゆっくりと文章というよりも言葉を味わい咀嚼しながら読みました。
キム先生の前著『逆パノプティコン社会の到来』とは全く趣旨が違います。
人生哲学というか自己啓発ですね。

去年くらいからずっとブログ(ジョン・キムの視点)を読んでいて、キム先生の言葉には前々から温度があると感じていました。
それもかなり高温の熱を帯びた言葉。
難しい言葉は用いず、あくまでシンプルで本質を突いた言葉。
シンプルすぎてみえないものほど真理を含んでいることを教わった気がします。

ツイートもアツイです。





本の中から気になった箇所をいくつか。

従順な羊ではなく、野良猫になれ


ただ、生きているだけでは動物と何ら変わらない


普遍的な真実はない。社会的な事実があるだけ


直感とは、感情と思考の結晶


時間こそ、既得権益者や上の世代にはない、かけがえのない
財産なのである


スティーブ・ジョブズの偉大さを、ユーチューブにアップされている数十分の映像だけを見て、わかったような気になっ
てはいけない



集中力とは心身の細胞を制御すること


光をみつける。そして見失わない


もがいている自分は正しい

6月に続けて新著が出るそうですね。アクティブをいつも奨励していますが、自身がそれを実践で示していらっしゃいます。

大学生ブログ選手権

2012年4月28日土曜日

読書『25歳からのひとりコングロマリットという働き方』本田直之、おちまさと著


本田直之さん・おちまさとさん共著『25歳からのひとりコングロマリットという働き方』を読みました。

ノマド的生き方の具体的指南書。
ライフスタイルにおける要素を5つに分解して、著者たち自身の生き方と照らし合わせながら提案している形。
  • 仕事
  • プライベート
  • 自己管理
  • 人脈
  • 資産管理
特に注力して書かれていたのが「仕事」の項。
仕事はお金、社会貢献、自己実現、時間の使い方、出逢う人などと深く関わっているからです。

[気になった箇所の備忘録]


会社に勤めながらいくつかの仕事を持っていたとしても、ひとりコングロマリットの場合、それらは「本業と副業」ではなく、全部まとめて「複業」なのです。
老子「生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ」
「進化のある現状維持」
要するに行動の指針に「幅を持たせること」を説いているのではないでしょうか。
それは単なるリスクヘッジなのではなく、シナジー(相乗効果)を生み出すような関係性を持った生き方。

今著は個々の生き方、ライフスタイルに焦点があたっていますが、個々の思考力の指南書としてはちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』を薦めます。



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2012年4月11日水曜日

読書『「自分ごと」だと人は動く』博報堂DYグループ エンゲージメント研究会著


iPhoneアプリで読みました。
出版されたのは一応、3年前だそうですがそれでもまだまだ説得力というか、共感できる箇所が多々ありました。
執筆も博報堂のエンゲージメント研究会というところなので、どちらかというと個々のコミュニケーション施策を検討というよりは、もう一個上の次元、マクロな視点で社会変化を観察したという印象。

備忘録をいくつか。

  • これまでは結果として、マスメディアが生活時間を規制してしまっていましたが、その制限をストック可能な仕組みが解放することになりました。
これはYouTube、ニコ動、とかHuluとかそれこそNetflixとかの話ですね。

  • 【ピンボールモデル】
前提:生活者が情報を扱うようになった。
ピンボールゲーム:ところどころにある柱にぶつかると、光ったり音がでたりしながら得点が増えていくゲーム。
⇒各所を回りながら情報としての価値が高まっていく。情報はピンボール台に乗っかっていて、何かと衝突すればするほど輝きを増していきます。
(マス→ブログ→個人)あらゆる可能性がありますね。

  • 1980年『第三の波』by アルビン・トフラー
    生活者と消費者が融合する「プロシューマー」の存在を予想。
  • 生活者との関係は、toからwithへ
  • 企業と生活者との間で交わされる”情報ラリー”が密になるにつれ、「企業の約束」と「生活者のアタマの中にあるもの」とはいつしか一体になっていきます。
  • 【人はタグの集合】
    断片化したプロフィール欄
    一貫性を欠く ex. 自演乙
    レッテルからタグへ
  • 【キャンペーンよりもコミュニティづくり】
    有効なエンゲージメント・テーマは24時間、365日、機能し続けます。共有を始めるためのタグを探しを含めて、架け橋になるテーマを設定することは何にも増して効率的なコミュニケーション投資である、ともいえるのです。




大学生ブログ選手権

2012年4月9日月曜日

読書『TPP亡国論』中野剛志著


中野剛志さんの『TPP亡国論』を読みました。
タイミングが少し遅いんですが。
とっても煽り要素が強い本で、楽しみながら読み進められました。
いかに情報をまっすぐ捉えないか、鵜呑みにしないか。
データの切り取り方に目を光らせる、国際情勢を大局的に捉える。

[気になった箇所]
自国通貨を安価に誘導して輸出を拡大し、他国の需要を奪い取る政策は「近隣窮乏化政策」と呼ばれています。各国とも不況の中で、他国を犠牲にしてでも自国民の雇用を守ろうとするのです。

中野さんがTPPに反対する理由として以下の点を指摘していました。

  • デフレ不況や食料の海外依存という「内の情実」
  • グローバル化
  • グローバル・インバランス
  • アメリカの輸出倍増戦略
  • 気候変動といった「外の大勢」 


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読書『ブログ論壇の誕生』佐々木俊尚著


あえてこのタイミングで佐々木俊尚さん(@sasakitoshinao)の『ブログ論壇の誕生』を読みました。

[気になった箇所の備忘録]
  •  情念の表出は、文章のメディアではなく、動画という情念的なメディアとの方がより親和性が高い。ここの圏域に、ニコニコ動画はきわめて見事にはまっているのである。
  • 「(戦争の)悲惨さは『持つ者が何かを失う』から悲惨なのであって、『何も持っていない』私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。(中略)社会に出た時期が人間の序列を決める擬似デモクラティックな社会の中で、一方的にイジメ抜かれる私達にとっての戦争とは、現状をひっくり返して、『丸山眞男』の横っ面をひっぱたける立場にたてるかもしれないという、まさに希望の光なのだ」
  • 米スタンフォード大のローレンス・レッシング教授は、人間の行動を規定するものとして①規範②法律③市場④アーキテクチャ(システムの設計概念)の四種類を挙げた。


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2012年4月7日土曜日

読書『次世代コミュニケーションプランニング』高広伯彦著


青山ブックセンターで購入した高広伯彦さん(@mediologic)の新著『次世代コミュニケーションプランニング』を読みました。

備忘録的に気になった箇所を羅列しておきます。
  • 「コミュニケーションプランニング」とは、「オファー時代のマーケティングコミュニケーションのソリューション」として位置づけられるべきなのだ。
  • マクルーハン「メディアそのものもメッセージである」(The Medium is the message)
  • 人と人、人と商品、人と社会など、何かと何かを「メディエイト」するもの。これがコミュニケーションプランニング上、必要となる「メディア感覚」なのである。
  • 「集合知(collective intelligence)」から「集合生産活動(collective activity)」へ
  • デビット・ガントレット「Making is connecting=作ることがつながること」
  • 「セグメンテーションからコネクションへ、マスからトライブへ」
  • おもしろいことを考えるという「バズ」視点だけでなく、拡がりを考える「バイラル」視点の両方がなければ、クチコミの企みにはならないのだ。
【従来の流れ】
アカウントプランニング→クリエイティブプランニング

【これからの流れ】
コンテクストプランニング→コミュニケーションプランニング

【コミュニケーションプランニング】
(コンテクストを解釈する)+(コンテクストを開発する)→コミュニケーションチャンネルの発見・設定→コンテンツの設定



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【参考エントリー】「『次世代コミュニケーションプランニング』(高広伯彦著)を読もうかどうか悩んでいる全ての人へ。」- イケダノリユキブログ ❤

2012年3月20日火曜日

読書『「当事者」の時代』佐々木俊尚著


発売日に青山ブックセンター本店で購入した佐々木俊尚さんの新著『「当事者」の時代』を読みました。
これまでも「キュレーションの時代」をはじめ、佐々木さんの著作は数多く読んできました。
佐々木さん自身、入魂といっていたように500P弱あり、新書にしてはかなり重厚感あるものとなっています。

佐々木さんの言葉遣いは内田樹さんの本を読んでいるように感じる時があります。
言葉の真芯はドッシリと強固に貫かれていて、博覧強記ぶりが伝わってくるのですが、それでいて言葉の端々がソリッドでカッコイイ。筆致がどことなくクールなんですよね。
素養の深さとともに、その広範な知見が経験に裏打ちされているところは僕みたいな若造には絶対にない点だと思います。

さて、この本の核となる箇所を紹介。
マスメディアは、<異邦人の庶民>という社会の外側の幻想の存在を仮構し、この存在から社会を逆照射することによって、絶対的な立場を確保し、その高みから社会を見下ろすというアプローチを採っている。
メディアの空間は<マイノリティ憑依>というアウトサイドからの視点と、<夜回り共同体>という徹底的なインサイドからの視点の両極端に断絶してしまっている。
この文章をみただけでは理解はできないと思います。
500Pにも及ぶかという力作のなかで数々の実例を引き合いに出しながら、この結論を導くにいたった経路が明示的に描かれています。

プロのジャーナリストとして培ってきた自身の濃密な実際的な体験や全方位にわたる情報網から執筆していると思われる佐々木さんの著作の多くが未来予言的な性格を帯びていることは広く知られているとおりだと思います。
未来を洞観する力。これは一筋縄では身につけられないし、それを提示したところで「身も蓋もない」と身も蓋もない批判を浴びせられることが往々にしてあると忖度しています。
それにも動じず、(時に苛烈なバトルを繰り広げていらっしゃいますが...笑)次の時代を見据え続ける人は理屈抜きにカッコイイと思います。

そんな大人のひとりにいつかなりたい、です。



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