Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2012年10月26日金曜日

就職率降下に関する少考ー頭脳流入が加速化しているのかもしれない


就活氷河期と言われて久しく、就職率も伸び悩んでいる大学が多いようです。
そもそも「就職率」自体が疑わしいものではあるのですが。
ノマド、フリーランスなど「働くこと」に関する見方が多様化するなかで、一体どれだけの人たちが感化され実際にそれを実践しているのかはわかりません。


グローバル化が間断なく進行した結果、その影響を受けていない国は皆無でしょう。
特にその傾向が久しいのがヨーロッパを中心とした移民受け入れ国家。
スペイン・ イタリア・フランスなどはよくニュースで聞く通りなんですが、驚くべきは社会保障が手厚いことで有名な北欧諸国でも同様の事態が生じているということです。
【参考】
スウェーデンレポート - スウェーデンで見た「福祉国家」の実態
「若年層失業率48.9%!なぜスペインには仕事がないのか?」~日本とスペインの類似性とは?~


そもそも欧米諸国で「移民フォビア」が深刻化しているのは、フランスの「ブルカ是非問題」をはじめとした市民権を巡る文化の衝突や社会保障の奪い合いなど多岐にわたる問題を惹起しているのは周知のとおりです。
【参考】「ブルカに揺れるフランス
3K労働者としての移民から知識集約型の頭脳労働移民へとシフトしてきているのが実情で、グローバリゼーションという現象そのものが地殻変動を巻き起こしはじめているというのが正しい認識なのではないでしょうか。

先日、アメリカ留学時代の友達から連絡があり、日本の大手重工業メーカーに就職したとのことで、僕も正直驚きました。
彼はエンジニアで日本語は在学中に個人的に勉強したものなのですが、それでも日本語検定一級までとるという猛者。


アメリカも日本、韓国などと同様に慢性的な失業率の高さに喘いでいるのが事実で、大学生も相当の危機感を抱いており(留学中、友人と話す中で僕もかなりそれを感じました)、目はアメリカ本土の外も含めかなり広範に広がっている気がします。

楽天やファーストリテイリングが社内公用語を推し進めていますが、これには当然、社員教育のための費用がかかり、抜本的な改革をしようとするとかなりの投資が必要となります。


だったら、パナソニックなどのように世界から人材を確保したほうが近道です。

こうなると就職と土地・国が必ずしも結びついてこなくなります。技能・知識がない人は世界の隅に追いやられるか、賃金の低い労働に就労するか。逆に有能な人材は世界の中心で活躍する。国籍にとらわれないコンピテンシーベースの就労体系が世界規模で構築されつつあるということだと思います。


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