「緋村剣心は人斬りという運命から逃れられぬのか」
それが物語を通しての主題だった気がします。
単純な勧善懲悪、輩成敗というよりは剣心の心情の移り変わりとか、人との関わりで遊動するアイデンティティの変化とか、そっちにスポットライトを当てた映画かと。
恨みは新たな恨みを産み出し、報復の連鎖は続いていく。
そんな「怨恨の連なり」を断ち切るため、剣心は戊辰戦争以後、刀を置き、代わりに逆刃刀を帯同することにする。
明治維新、文明開化の「新しい時代」で剣心は人助けを信条として生きていたが、
江口洋介演じる斎藤一が「剣に生き、剣に死ぬしかないのだ」というように一度、人を殺めて戦いの螺旋に足を踏み入れた人間が足を洗う難しさに気付かされる。
ここでもやはり『ハンター×ハンター』の冨樫さん言葉を想起せずにはいられません。
ここでもやはり『ハンター×ハンター』の冨樫さん言葉を想起せずにはいられません。
「善人も悪人もいつの世も人はくり返す。膿むには余りに長く、学ぶには余りにも短い時の螺旋上」
武井咲演じる薫が吉川晃司演じる鵜堂刃衛に連れ去られたとき、剣心のなかに人斬り抜刀斎としてのかつての自我が芽生えかけるが、やはり薫の「斬らないで」という一言で踏みとどまる。
おそらく『カイジ』での演技が評価されてのことだと思うんですが、今回も武田観柳を演じた香川照之さんの演技が光っていました。
鵜堂刃衛の目を使った幻術にしろ、ナルトのカカシの写輪眼にしろ、バジリスクの弦之介の瞳術にしろ、やたら忍法の名残みたいなものが描かれますよね。
少し残念だったのは原作で一番好きだった蒼紫が登場しなかったことかな。
ラストシーンの前くらいで、佐藤健(剣心)が武井咲(薫)をおんぶしてたんですが、もうなんか「あっちゃんをおんぶ事件」をフィーチャーしてるようにしか見えなかった。笑
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