Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer
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2013年10月10日木曜日

「リーガル・ハイ」シーズン2が始まりました


はじまりましたねー。
視聴率も好調だったようで、「半沢」の初回よりも良かったようです。(参考:堺雅人主演ドラマ初回視聴率21.2% 「半沢」の初回超え今期最高スタート

ぼく自身は昨晩は深夜までイベントの仕事が立て込んでおり、今朝も原稿の〆切に追われていたので、先程録画しておいたものをみました。

今回のシーズン2で鍵になりそうなのは、古美門事務所で実習を積み、検事として古美門陣営と対決した後、個人事務所NEXUSを立ち上げた岡田将生演じるイケメン弁護士・羽生春樹。
どうやら新垣結衣演じる黛真知子に好意を抱いているらしく、シーズン2では恋沙汰要素もありそう。
そして新事務所NEXUSはフジテレビ系ということもあって、小栗旬主演のドラマ「リッチマン、プアウーマン」の会社オフィスのを思い出させる雰囲気。
終盤には、新垣結衣が「倍返しだー!」と言いそうになって、寸止め。代わりに「やられたら、やり返す!」。
半沢」のような、決めゼリフとなるんでしょうか。

「真実」を暴くことに情熱を燃やす黛に対して、古美門がこのように諭します。
弁護士の仕事は、真実を明らかにすることではなく、クライアントの依頼に応えることである。
このセリフに「リーガルハイ」の全要素が詰め込まれているような気がしました。

  

【前シーズンについてのものなど】
リーガル・ドラマはなぜかくもこうおもしろいのか
「半沢直樹」が50%で幕を閉じ、「リーガル・ハイ」シーズン2がはじまります

2013年9月9日月曜日

リーガル・ドラマはなぜかくもこうおもしろいのか


数あるジャンルの中でも訴訟もののドラマ、映画は大好物でついつい見てしまいます。
まあ現実の訴訟よりも脚色され、単純化されているのは否めないですが、だからこそ取っ付き易くのめり込みやすいのでしょう。
とはいえ『それでもボクはやってない』など、いつ自分の身に降りかかるかもしれない事案などは、一度自分を主人公に憑依させることで、擬似的に経験しておくことで、万が一痴漢事件に巻き込まれた時に正しい行動をできる蓋然性は高まりそうです。

べつに話題のテレビドラマや映画などのすべてを追って、時勢をの波から取り残されないようにしているわけではないですが、ある程度、今の世間の趨勢を把握しておくという意味ではそういったコンテンツをうまい具合につまみ食いするというのが僕のやり方です。
たしかに視聴率などの数値は数々の批判がつきまとうように絶対的な指標とは言いがたいものの、やはり相対的には参考になる値です。
視聴率が高いには高いなりの理由がある。他を出し抜きそれなりの数字の叩きだす背景にはバズ要因が必ず伏在している。それで一見してみようとなるわけです。
こういった数値を手がかかりにコンテンツを漁るのも一手法ですが、映画・ドラマ等に限らず、読書でも舞台でもなんでも、その界の自分の嗜好に合ったキュレーターを幾人かフォローしておくのが一番スマートなやり方な気がします。
自分で全方位をフォローするのはいかせん能率が悪いし、必ず"こぼれ"が出てしまう。
RSSリーダー、GunosyAntennaのような感覚を、インフルエンサーに付与する、というより見出す。


という前置きを説明した上で、あくまで世俗的なバラエティやドラマ方面のアンテナ感度がかなり高いのが南海キャンディーズの山ちゃん。
彼がアイドル業界に深い造詣を持っているのは周知ですが、それに限らずジャンルを問わないバラエティ、ドラマ類にも広いアンテナを張り巡らし、面白いと思ったものをすぐにメディアで発言しているので、僕もたまに参考にしてます。
リーガル・ハイ』はラジオで山ちゃんが推していたもので、むしろ『半沢直樹』以上に役者・堺雅人が全面に出ているとオススメしていたので、僕も3日くらいでSPも含めた通常放送を見てしまいました。

『リーガル・ハイ』を観ていて思うのは、弁が立つものが正義というか、周りの群衆を飲み込んでいくということ。時代は常にそうあり続けたのではないかということ。
最近でいえば、大阪市長の橋下徹さん、自民党の小泉進次郎さん。雄弁な語り口の人の周りには人が集まってくる。

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このドラマで主人公・古美門研介を演じる堺雅人も人格は最低でありながらも、マシンガンのように繰り出す理路整然かつ根拠に基づく弁証は見事というほかない。
そして度々、諜報員を雇い法律すれすれの工作活動をしたり、巧みにお金を使ったり、「法」や「裁判」が腹蔵する脆弱性を逆手にとり、無敗神話を築き上げていく。
その法律事務所に新人弁護士として入るのが新垣結衣演じる黛真知子。彼女は生来の真面目な女性で、無垢な正義心の塊、本当の「真理」の探求のため、あえて古美門事務所の門を叩く。
と、まあこのドラマの内容をつらつら述べてても仕方ないのですが、キャッチコピーで「愛も、法も、嘘がすき。」と掲げられているように、古美門に言わせれば、正義に基づく真理などあり得ないということ。


なにも日本だけに特有の問題なのではなく、とくにアメリカではより深刻にそういった脆弱性が表出しているといっていいと思います。
このドラマでもお金を持つものが弱者を握りつぶそうとする描写は幾度となく出てきますが、アメリカでもこの問題は根深く、大企業を相手にしたとき、個人が戦える素地はほぼないのが現状となっています。この辺の話はやはり堤未果さんの『(株)貧困大国アメリカ』に譲ります。

パスカル

力=資本(金)の論理の前に、司法も民主主義も無力ということでしょうか。
怜悧な炯眼に満ちた随想録『パンセ』でパスカルは以下の様なことを述べています。
「正義。力。正しい者に従うのは、正しいことであり、最も強い者に従うのは必然のことである。力のない正義は無力であり、正義のない力は圧制的であるこのようにして人は、正しい者を強くできなかったので、強い者を正しいとしたのである」
身震いします。

『リーガル・ハイ』ではあらゆる争点領域で古美門研介が顔を出し、見事に勝利を収めていきますが、じっさいの弁護士稼業としては、あり得ないことではないかと思います。
普通は得意とする領野が決まっているのが定石ではないかと。
たとえば第9〜10話にかけては村人たちが団結して、環境問題を理由として大企業を訴える訴訟を起こすのですが、これはジュリア・ロバーツ主演の実話に基づく映画『エリン・ブロコビッチ』で描かれていたような内容に近いです。

検察側の視点のドラマの筆頭ではやはりキムタク主演の『HERO』ですかね。
古典としては、僕も大学時代の英語の授業の教材で観た『十二人の怒れる男』が有名どころでしょうか。

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2013年3月11日月曜日

上には上がいる、だからぼくらは成長できる


昨日、ひさびさにフロリダ大学(UF)留学時代の友達と会い、カニ鍋を囲んでガッツリ話をしました。
彼女はフロリダ州の弁護士ライセンスを持っていて、今は日本の法律事務所で相続関連の案件を専門に働いているそうです。
部屋にも難しいそうな日本語の法律関連の専門書が溢れていました。

彼女にとっても上には上がいるそうで、JAXAで働いている友達がそうだそうです。

今考えると、図書館に朝までこもって、毎日勉強していた彼/彼女それぞれがそれぞれの場所で飛翔して、活躍しているんだろうなと。
UFは化け物の巣窟だったんだなと。
そういう意味で、留学したことはやはり大きかった。
日本の大学にずっといたら世界の広さを中途半端にしか理解することはできなかったんじゃないかと。

ハーバードで日本語を教えて、優秀指導賞も受賞した羽根さん(@hanetakuya)も言っているように、優秀な人を常にみること。

 
ロールモデルが常に側にいて、お手本にしながら自分を高めていくことが成長への近道なのかなと。
常に、上には上がいますからね。
彼らのリズムやステップを見習いながら向上していきたい。

2013年2月15日金曜日

映画『それでもボクはやってない』周防正行監督作


Huluにて鑑賞。最近、めまぐるしく忙しい生活を送っていて、なかなか本を読んだり自由な時間を確保できずにいるのですが、唯一寝る前にHuluで一本映画を観るのが習慣となりつつあります。
たまたまですが、今作の前夜に観た『エリン・ブロコビッチ』という映画も訴訟関連でした。

以前から友達に勧められていた今作。

痴漢の冤罪と闘う主人公。
やってはいなくてもとりあえず認め、示談を成立させれば長い長い拘留や裁判から逃れられる。
ただ「それでもボクはやっていない(I just didn't do it)」という題からも推し量れるように、主人公は徹底して無罪を主張していくことになります。

そういえばファンモンのの歌詞に
満員電車のバンザイはギブアップじゃない冤罪対策。
ってありますね。

映画の冒頭で流れるこの言葉。
十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜を罰するなかれ。
 ただ、今の司法制度でこのような理想的な理念は達成できません。これは確実に。

有名な警察の断定的かつ圧迫的な取り調べ。
起訴し有罪に追い込むことだけを主眼に問い詰める検察。
そして最後の頼みの綱である裁判官たちも有罪に引き寄せられていく。
無罪判決を出すのは、相当な勇気が入ります。

三権分立のようで、実はどの立場であっても推定無罪ならぬ「推定有罪」に引き込まれてしまうのが現下の法体制です。
広義で捉えるなら、村上春樹がいうところの「システム」と通底しているのではないでしょうか。
エルサレム賞を受賞したときの彼の「壁と卵」のスピーチを覚えている方も多いと思います。一部抜粋してみます。



こんなふうに考えてみてください。私たちのそれぞれが、多かれ少なかれ、1個の卵なのだと。私たちのそれぞれは、脆い殻の中に閉じ込められた、ユニークでかけがえのない魂です。これは、私にとっても当てはまりますし、皆さん方のそれぞれにとってもあてはまります。そして、私たちそれぞれは、程度の差こそあれ、高く堅い壁に直面しているのです。壁には名前があります。「システム」です。システムは、私たちを守るべきものです。しかし、時には、それ自身が生命を帯び、私たちを殺し、私たちに他者を殺させることがあります。冷たく、効率的に、システマティックに。参考
本来、被告人を弁護するはずの当番弁護士でさえ、まっさきに示談を提示していました。

背筋がゾッとする話です。
ある意味で、(特に男性にとっては)どんなホラー映画よりも怖いストーリーなのではないでしょうか。

エンディングで、主人公が心の中で呟く一言。
この裁判で、本当に裁くことができる人間は、僕しかいない。少なくとも僕は、裁判官を裁くことができる。あなたは間違いを犯した。
 ぜひ全男性にオススメしたい。彼の(冤罪となった)疑似体験を自己の中に持っておけば、ある意味保険の役割を果たすと思うんです。
法律、司法、検察、弁護の知識が付きます。
疑似体験を積めることこそ、映画の大きな魅力の一つだと思うのです。
ただ観た夜は、ナイトメアにうなされないか本気で心配しましたが...。笑
加瀬亮は今作も抜群ですが、個人的にMVPは弁護士役を演じた役所広司さん。



ちょっと関係ないのですが、「司法試験に受からないということ」というおもしろいエントリーがありました。
早稲田や慶應の法学部を出ても、試験でコケれば30代、40代で派遣社員というオチという驚愕の実態が実体験と共に書かれています。時間がある方はぜひ一読を。



完全主観採点:★★★★☆