風邪でダウンして、ベッドから一歩も移動できなかったので本棚から目についた村上龍さんの『イン ザ・ミソスープ』をひさびさに読んでみることに。
日本社会(特に東京を中心とした都会)の底流にある得も言われぬ倦怠や頽廃はライトモチーフとして「限りなく透明に近いブルー」から通底しているような気がします。
これはいつ読んでもそうなのでしょうが、この時機に読んでみて想起したのが、先月起きた沖縄米兵による集団強姦事件。
本著で登場するカルシウム不足のアメリカ人・殺人鬼フランクとイメージが重なります。
米軍基地に関しても、村上龍作品では結構なウェートを占めるファクターだということが作品を読む度に思います。
人間だけが絶大なる「想像力」を手にした。
ただ、それは諸刃の剣であると。
ポジで働く場合は人間の叡智を築き、ノーベル賞や最新テクノロジーの発達を促す。
ネガで作用すれば、猟奇殺人や数多の凄絶な犯罪を生み出す。
掌の表と裏。
「想像力」を手に入れるということは、ある意味で悪魔との契約を交わすということなのかもしれません。
いかにして煩悩(BONNOU)を距離感を保っていくのか。
0 件のコメント:
コメントを投稿