Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2012年11月11日日曜日

読書『レバレッジ・リーディング』本田直之著



本田直之さんの本を読むのは『25歳からのひとりコングロマリットという働き方』以来。

これまで読書法に関する本はけっこうな数読んでると思います。
(それらの中でも、未だに自分の血肉となり輝きを放っているのが、一番古くに発売された『本を読む本』ですね、間違いなく)

なんで、既知のメソドロジーが羅列されてるのを危惧して、最近では意識的にこの手の本は手に取らないようにしていたのですが、タイトルと装幀に惹かれて購入してみました。

これまでの読書指南書も、それぞれ射程というか特色があって、本著がもっぱら読者層に据えているのはビジネスマン。もちろん普遍的なエッセンスも所々に散りばめられてはいるんですが、あくまでもメインターゲットはビジネス書を読む人たち。

まず冒頭から終章まで強調するのは既存の読書に対する姿勢を捨てること、価値観の脱構築を促します。
読書こそ最強の自己投資」との持論の上、徹底的にビジネスライクに投資の目線から「読書」という行為を捉え直してみようというのが本田さんの主張。
ぼくもかなりの部分で同意で、ぼくも高校生くらいの頃から(お金はあまり持っていませんでしたが)本を買うお金だけは糸目をつけずに使ってきました。
いつか絶対自分のリターンになるという確信があったからです。本田さんのように1500円で買った本は長期的視点に立てば、10~100倍の利益、つまり150000万円程になるとまで数字に落としこんで考えてはいませんでしたが。

この本でも何度か触れられているGMOグループ代表取締役の熊谷正寿さんの『一冊の手帳で夢は必ずかなう』はぼくも先月読んだばかりでした。

 レバレッジ・リーディングはあくまでも投資活動なのですから、単に本を多く読みこなすというのではなく自分の課題や目的・目標にとって必要な情報だけが得られれば、それで十分なのです。完璧主義を捨てること、それが第一歩です。
漠然と本を選び、読み進めるのではなく「目的意識」ーその本に自分は何を求めているのかーという点を明確にした上で、読み進めなくてはならない。これはどんな読書法に関する本でも必ず触れられている点であると共に、最も重要な要素の一つです。
これに関して「カラーバス効果」を挙げられていました。
カラーバスは「色を浴びる」の意。 意識していることほど関係する情報が自分のところに舞い込んでくるようになるといったものである。例えば、「今日のラッキーカラーは赤」といわれると、街でその色ばかりに目が行くなども、カラーバス効果である。 (Wikiより)
 本をただ闇雲に読み進め(本の虫のごとく)、それで満足するのではなく、脊髄反射的に状況に応じて得た知識を実践的に使えること。この段階まで持っていけるとそれこそ人生を歩んでいく上で、武器になると思います。これは瀧本さんの『僕は君たちに武器を配りたい』で基底的なテーマとなっていました。

ぼくも本田さんと同様に、一日に一冊くらいのペースで本を読んでいますが、(バイトを約週六でやっているとはいえ)本田さんと多忙の度合いは雲泥の差ということを考えると、本田さんのペースは驚異的です。スキマ時間を徹底的に使い、ナガラ時間をクリエイティブに創造する。人から頭一個分抜け出すためには(24時間は人類平等に配分された資源を考えると)相当、自分から意欲的に習慣を変えていく努力を施していかなくてはなりません。

競馬のどんなにビッグレースでも往々にしてハナ差の決着はあり、水泳でもコンマを巡る激しい争いが繰り広げられています。

奇妙な国日本で、これから社会人になる人達へ」という秀逸な記事の中で、この点に関して深く考えさせられるエピソードがあったので、少し長いですが、全文引用させていただきます。
<奇妙な銀行のお話> 

もし、こんな銀行があったら、あなたはどう利用しますか? それは、奇妙な銀行です。この銀行にお金を預けても、利子も付きませんし、お金を借りる事も出来ません。 しかし、その銀行は、 毎朝あなたの口座へ86,400ドルを振り込んでくれます。口座に振込むと同時に、あなたの財布に全て引き出され、それをあなたは自由に使う事が出来ます。しかし、このお金は「魔法のお金」で、あなたが使い切っても、使いきらなくても、24時間で消えてしまいます。そして、0時になると、また86,400ドル振込まれます。これが毎日続きます。 あなただったらどうしますか。もちろん、毎日86,400ドル全額を引き出しますよね? この奇妙な銀行を、実は、私達一人一人が持っているんです。 それは「時間」という銀行です。 毎朝、あなたに86,400秒が与えられます。 毎晩、あなたが上手く使い切らなかった時間は消されてしまいます。 それは、翌日に繰り越されません。 それは貸し越しできません。 毎日、あなたの為に新しい口座が開かれます。 そして、毎晩、その日の残りは燃やされてしまいます。 もし、あなたがその日の預金を全て使い切らなければ、あなたはそれを失ったことになります。 過去にさかのぼることはできません。 あなたは今日与えられた預金のなかから今を生きないといけません。 だから、与えられた時間に最大限の投資をしましょう。 そして、そこから健康、幸せ、成功のために最大の物を引き出しましょう。 時計の針は走り続けてます。今日という日に最大限の物を作り出しましょう。 1年の価値を理解するには、落第した学生に聞いてみるといいでしょう。 1ヶ月の価値を理解するには、未熟児を産んだ母親に聞いてみると いいでしょう。 1週間の価値を理解するには、週間新聞の編集者に聞いてみるといいでしょう。 1時間の価値を理解するには、待ち合わせをしている恋人たちに聞いてみるといいでしょう。 1分の価値を理解するには、電車をちょうど乗り過ごした人に聞いてみるといいでしょう。 1秒の価値を理解するには、たった今、事故を避けることができた人に聞いてみるといいでしょう。 10分の1の価値を理解するためには、オリンピックで銀メダルに終わってしまった人に聞いてみるといいでしょう。 だから、あなたの持っている一瞬一瞬を大切にしましょう。 そして、あなたはその時を誰か特別な人と過ごしているのだから、十分に大切にしましょう。 その人は、あなたの時間を使うのに十分ふさわしい人でしょうから。 そして、時は誰も待ってくれないことを覚えましょう。昨日は、もう過ぎ去ってしまいました。 明日は、まだわからないのです。 今日は与えられるものです。 だから、英語では今をプレゼント(=present)と言います。
何気なく流れれていく日常の中で、「生の有限性」について考える機会はそう多くはありませんが、改めて考えてみると死ぬまでに「読める本」も「観れる映画」も「出逢うことのできる友人」もほんとにごく僅かで、漠然と那由多のように考えてしまう自分を戒めなくてはと日々思うのです。

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