Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年10月24日木曜日

読書『立花隆の書棚』立花隆著


知の巨人、立花隆さんの『立花隆の書棚』を読みました。
立花さんの本はこのブログでも何度か紹介しています。

基本的にノンフィクションを主戦場とする氏ですが、この本の趣向は少し変わっていて、氏が小石川に所有する、ビル全体が浩瀚な書庫となっている通称「猫ビル」プラス立教大学の研究室など、すべての氏の書棚を写真で収め、それらを解説していくという特異な本になっています。
ちなみに猫ビルは地上3階、地下1階で20万冊所蔵しているそうです。
(猫ビルに関して、参考:ネコビルを見て考えたこと」- 研究と教育と追憶と展望)

これまでにも読書遍歴や読書法などにフォーカスを当てた本は何冊か出版されていますが、書棚をダイレクトに語る本というのは初めてのことだと思われます。
ちなみにこのシリーズ、あの「千夜千冊」『知の編集術』の松岡正剛氏verもあるそうです。

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もともと、免許を更新しようとしたときに、時間つぶしに新書でも買おうかと思ったところ、なにを血迷ったかこの本を手に取ってしまいました。
構成の中心は写真ですが、なんと全体で650ページもあります。(ちょっと時間つぶしに買う本ではないです)

iPhoneでパノラマ撮影した四つ折り書棚ページ

じっさい僕も、時間を見つけ(眠れない夜など)に数ページずつゆっくりと読み進めていきました。


なんだか書物の渦の中で、「知的格闘」を孤独に続けるフーコーを想起するかのような、猫ビルの内部。

書棚がカバーするのはほぼ全領域。
一番、よく知られた田中角栄研究をはじめ、宗教、哲学、脳科学、基礎数学、などなど文系・理系などという栫をゆうゆうと縦断していく。『知のソフトウェア』を彷彿としますね。

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知的生産の話でいうと、もっともよく知られている本に梅棹忠夫の『知的生産の技術』がありますが、昨日読んだ博報堂ケトル・嶋浩一郎さんの『なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか』は新しい知見がいくつか詰まっていました。
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そもそも僕はわりと新書も読む方だと思うんですが、なかでもジャンルの選り分けとして、意識的に「広告系」の本を絡めるようにしています。
この手の本は読みすぎても効果は浅いんですが、たまにストレッチ感覚で、思考に伸縮性を確保する感覚で読むと、すごくスッキリするんですよね。雑多になった脳内のちりを取る要領で。

なんでも嶋さんは毎日必ず書店に足を運ぶそうです。
「筋金入りの本の虫なのだなー」と思いきや、そういうわけでもなくて、本屋に行くこと、本屋で過ごす時間にこそアイデアの源泉があるというのです。
本屋で平積みされる本、書棚の中身・配置は日々めまぐるしく変化していきます。
それを嶋さんはガウディの建築「サグラダファミリア」に、平積みにされる本を「AKB48の総選挙」に喩えられていました。さすがです。
興味深いイラストも二つ挿されていたので、紹介。






ぼくも同じ様に、好きな場所はどこかと問われれば真っ先に「本屋」と答えるたちで、休日に代官山の蔦屋青山ブックセンターに行くのが楽しみだったりします。

あとNaver等のまとめで大好物なのが、世界中の美しく蠱惑な図書館や書店を集めたもの。


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