Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer
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2014年8月7日木曜日

あらゆるところで散逸/滲透する「イノベーションのジレンマ」について―「SPEC〜結〜」『漸ノ篇』&『爻ノ篇』を観て


テレビドラマシリーズからみてきた「SPEC」完結編の劇場版をようやくDVDで鑑賞。
一言でいうと、「残念」の一言。
そもそも前回の劇場版「〜天〜」からして、怪しい雲行きが漂っていて...。
これはドラマだったり、映画だったりの宿命のような気もしなくもないですが。
映画も人気が出れば続編がでるし、ドラマも同様に(とくにアメリカドラマは)シーズンが延々と続いていき、冗長になっていく。(『LOST』『プリズン・ブレイク』)
『LOST』は途中から島を出てしまってるし、『プリズン・ブレイク』も途中からプリズン(牢獄)関係なくなってるし...。
いずれにせよ、こういったドラマが袋小路に入ったサインとして、回想シーンが増えてくると要注意です。

「SPEC」に関しては、途中から明らかに製作陣が巨大になっていったのがうかがい知れるし、ステークホルダーが肥大化していった。
故に作品の初期に尖っていたエッジがどんどん削られていき、作品の目指す先もどんどん広漠になっていき、最後なんかはガイア理論、「シンプルプラン」なにやら、訳がわからなくなっていき、最後も結局収束できずじまいだったような...。

これってなんだか、飛ぶ鳥も落とす勢いで成長していくベンチャーが、ミドル、メガ、そして普通の大企業へ階段を歩んでいくステップに似てるな〜という感慨。
従業員が増えていき、株式公開してステークホルダーが一気に増大すると、桎梏まみれになって、自由に身動きできなくなっていき、ビジョンの共有も困難になっていく。
まさしく「イノベーションのジレンマ」のような...。

2014年7月30日水曜日

「ウォーキング・デッド」に伏流する"適者生存"のアポカリプス


「ウォーキング・デッド シーズン4」を観終わり思ったところを、少し。
今シーズンから加わった少女二人、リジーとミカ。
ウォーカーズ(ゾンビへと転化した人々)を殺すことに反対し、「彼らは私たちとは違うだけなのだ」と執拗に信じて疑わないリジー。
タイリースとキャロルが目を離した隙に妹のミカをナイフで殺害してしまう。
完全に頭が混乱したリジーに手を焼いたキャロルは苦渋の選択の末、リジーを銃殺する。

社会にシステムを築き、自然を超克したかに見えた人間は世界の王だった。
突如、発生したウォーカーズの群れは次から次へと人間を襲い、その勢力を拡大していく。

ウォーカーズが支配する世界になった後、優しさや慈悲は生存の足かせになる。
いかに無慈悲に冷酷になれるかが生死を分ける。
それが新しいルールとなった。
そこにうまく適応できない者は、一瞬のうちにあちら側の世界に引きずり込まれていく。

この人間vsウォーカーズの攻防に、次の文章を想起せずにはいられなかった。
つい前に話題になっていた人間や生物種の生存競争に関する名文。
これほど理路整然と自己の思考を最奥まで突き詰めた文章にはなかなか巡り合えるものではなく、言外にどこまでも広がっていくような広漠とした知識がかいま見えます。刮目です。以下、勝手に転載させていただきます。(引用元
【問い】弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂ければと思います。自然界では弱肉強食という単語通り、弱い者が強い者に捕食される。でも人間の社会では何故それが行われないのでしょうか?文明が開かれた頃は、種族同士の争いが行われ、弱い者は殺されて行きました。ですが、今日の社会では弱者を税金だのなんだので、生かしてます。優れた遺伝子が生き残るのが自然の摂理ではないのですか。今の人間社会は理に適ってないのではないでしょうか。人権などの話を出すのは今回はお控え頂ければと思います。
【答え】 え~っと、、、よくある勘違いなんですが、自然界は「弱肉強食」ではありません弱いからといって喰われるとは限らないし、強いからといって食えるとも限りません虎は兎より掛け値なしに強いですが、兎は世界中で繁栄し、虎は絶滅の危機に瀕しています***自然界の掟は、個体レベルでは「全肉全食」で、種レベルでは「適者生存」です個体レベルでは、最終的に全ての個体が「喰われ」ます全ての個体は、多少の寿命の差こそあれ、必ず死にます個体間の寿命の違いは、自然界全体で観れば意味はありませんある犬が2年生き、別の犬が10年生きたとしても、それはほとんど大した違いは無く、どっちでもいいことです種レベルでは「適者生存」ですこの言葉は誤解されて広まってますが、決して「弱肉強食」の意味ではありません「強い者」が残るのではなく、「適した者」が残るんです(「残る」という意味が、「個体が生き延びる」という意味で無く「遺伝子が次世代に受け継がれる」の意味であることに注意)そして自然というものの特徴は、「無限と言っていいほどの環境適応のやり方がある」ということです必ずしも活発なものが残るとは限らず、ナマケモノや深海生物のように極端に代謝を落とした生存戦略もあります多産なもの少産なもの、速いもの遅いもの、強いもの弱いもの、大きいもの小さいもの、、、、あらゆる形態の生物が存在することは御存じの通り「適応」してさえいれば、強かろうが弱かろうが関係無いんですそして「適者生存」の意味が、「個体が生き延びる」という意味で無く「遺伝子が次世代に受け継がれる」の意味である以上、ある特定の個体が外敵に喰われようがどうしようが関係ないんです10年生き延びて子を1匹しか生まなかった個体と、1年しか生きられなかったが子を10匹生んだ個体とでは、後者の方がより「適者」として「生存」したことになります「生存」が「子孫を残すこと」であり、「適応」の仕方が無数に可能性のあるものである以上、どのように「適応」するかはその生物の生存戦略次第ということになります人間の生存戦略は、、、、「社会性」高度に機能的な社会を作り、その互助作用でもって個体を保護する個別的には長期の生存が不可能な個体(=つまり、質問主さんがおっしゃる"弱者"です)も生き延びさせることで、子孫の繁栄の可能性を最大化する、、、、という戦略ですどれだけの個体が生き延びられるか、どの程度の"弱者"を生かすことが出来るかは、その社会の持つ力に比例します人類は文明を発展させることで、前時代では生かすことが出来なかった個体も生かすことができるようになりました生物の生存戦略としては大成功でしょう(生物が子孫を増やすのは本源的なものであり、そのこと自体の価値を問うてもそれは無意味です。「こんなに数を増やす必要があるのか?」という疑問は、自然界に立脚して論ずる限り意味を成しません)「優秀な遺伝子」ってものは無いんですよあるのは「ある特定の環境において、有効であるかもしれない遺伝子」です遺伝子によって発現されるどういう"形質"が、どういう環境で生存に有利に働くかは計算不可能です例えば、現代社会の人類にとって「障害」としかみなされない形質も、将来は「有効な形質」になってるかもしれませんだから、可能であるならばできる限り多くのパターンの「障害(=つまるところ形質的イレギュラーですが)」を抱えておく方が、生存戦略上の「保険」となるんです(「生まれつき目が見えないことが、どういう状況で有利になるのか?」という質問をしないでくださいね。それこそ誰にも読めないことなんです。自然とは、無数の可能性の塊であって、全てを計算しきるのは神ならぬ人間には不可能ですから)アマゾンのジャングルに一人で放置されて生き延びられる現代人はいませんねということは、「社会」というものが無い生の自然状態に置かれるなら、人間は全員「弱者」だということですその「弱者」たちが集まって、出来るだけ多くの「弱者」を生かすようにしたのが人間の生存戦略なんですだから社会科学では、「闘争」も「協働」も人間社会の構成要素だが、どちらがより「人間社会」の本質かといえば「協働」である、と答えるんです「闘争」がどれほど活発化しようが、最後は「協働」しないと人間は生き延びられないからです我々全員が「弱者」であり、「弱者」を生かすのがホモ・サピエンスの生存戦略だということです
心底腹落ちするというか、開眼させられるというか、見事な論理・思考展開です。

物語の中では未だに、なぜいきなり転化現象が始まったのかには具体的には触れられていません。
もし、ゾンビ化することが人類の種全体としての新しい生存戦略であったとしたら、今主人公のリックをはじめ残された少数の人間たちが日々繰り広げている抗争はほんの些細なあがきでしかない。
ウォーカーが頭をつぶさないかぎり生き続けるからです。
ただ、後世を考えたとき、繁殖機能がない(と思われる)ウォーカーと寿命はあるけど生殖機能がある人間はどちらが生存競争にふさわしいのか。
先進国で加速化する特殊出生率の低下、終わることのない戦争、この物語に伏流するのは、ある意味で人間が人間になりすぎてしまった社会に対する壮大なアポカリプスなのかもしれません。

2014年5月15日木曜日

「ウォーキング・デッド」に棲みつくリヴァイアサン


先日、「ウォーキング・デッド」をみ始めたよっていうブログを書いてから、もうシーズン3を観終えてしまいました。
もうね、抜群におもしろい。
シーズンを重ねるごとにおもしろさが加速していくドラマはそう多くないと思う。

なにが面白いかというと、人間の本源的な動物性・社会性がうまく描かれているからだと思う。
社会を失い、無秩序状態に突入すると、法律という人工的な制御装置が外れて、適者生存(survival of the fittest)が至上命令というか、唯一のルールに君臨してくる。
これはホッブズがいうところの自然状態(state of nature)に近く、そこから「万人の万人に対する闘争」(the war of all against all)的世界観が趨勢をなしていく。
それでも微かな理性は保持しながら、個人というより、グループの保存をいかに維持できるかに考えが及んでいき、男は狩りや治安維持に、女は洗濯炊事など家事を担い、集団内における役割分担、ルールが制定されていく。

不測の事態が起きたときには、「最大多数の最大幸福」(the greatest happiness of the greatest number)など功利主義における基本ルールを参照したり、民主主義の規則に即して集団で決議を行う。
一時は、リーダーのリックが多数決による民主主義を斥け、彼の独断で決定を下していくというルールを採用していたものの、最終的には再び集団決定へと回帰する。



その他にも、他グループとの縄張り争いや領土を画定し、不可侵条約を結ぶことで休戦を図ろうとするも、けっきょくは戦争に突入したりなど、人類がこれまで辿ってきた途を追体験するかのごとく、ストーリーが展開していく。
リックらが置かれた状況を覗き込むと、上で触れた政治思想や法学の基底となっている考え方が、所与のものとして私たちの社会に埋め込まれているのがよく分かる。
災害時やテロに襲われたとき、そういったものに対する脆弱性を常に忘れてはいけないと考えさせられる。
リヴァイアサンという巨人は歴史の俊才たちが地道に、少しずつ積み上げてきた叡智の結晶なのだということが、血みどろの闘争から浮かび上がってくる。

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家族も友人も死に絶え、希望も打ち砕かれた絶望の中で「なぜ生き続けるのか」という問いにぶち当たる登場人物たち。
ここでふと今、読んでいる『もっとも美しい数学 ゲーム理論』という本の中で、ゲーム理論と生物学という二つの学問分野を統合したときに見えてくる"人類"という一つの巨人の姿が頭に浮かびました。
ちょっとわかりにくいので補足しておくと、たしかに一人一人の人間には寿命があり、有限なのですが、自分の命は先祖から受け継がれた血、自分のあとに続いていく血、と連綿と命自体は生き続けてきたし、生き続けていくとなると"死"というものはないという結論に至るのです。ではなぜ最初から死ぬことなき一個の人ではないかといえば、隕石や大洪水、大地震などのカタストロフィが起きた時にも、リスクを分散しておくためではないか。とにかく、色々なファクターがある中で導き出された形態がこの「人間」なのではないかということです。

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この本は生物学、社会学、経済学、ひいては人類や世界が抱える多くの謎を解く鍵として「ゲーム理論」があるのではないかという野心的な本で、上に書いた人類についてまわる「戦争」に関して【「抜け駆け」と「協力」の人類史】という項に面白い記述があったので引用しておきたいと思います。
ただし、「常に協力する」というのは、安定した戦術ではない。全員が協力しはじめたとたん、ちょうど、鳩のなかの鷹のように、「常に抜け駆け」戦術が割り込んできて鳩を一掃する可能性がある。というわけで、まず、全面的な出し抜き戦略からはじめて、オウム返し作戦に移り、さらに寛大なオウム返し作戦へと移行して、そこから「常に協力」作戦に転じて、再び「全面抜け駆け」戦略へと戻る。『これが人類の歴史における、戦争と平和の理論なのだ
さらに驚くべきことに、この本の中でとうの「リヴァイアサン」についても記述があるのです。
ホッブズは『リヴァイアサン』の中で、さまざまな個人の選好がどのように相互作用するかを評価し、何が全員にとって最良の取引を成立させるかもっとも良い方法を考えるというアプローチをとる。サイエンス・ライターのフィリップ・ボールによると、こうして得られた理論上の枠組みは、各人の力を最大にするようなナッシュ均衡へと「さして苦労もなく作り直せる」という。したがってホッブズの『リヴァイアサン』は、社会を数学的に理解しようとする初期の努力と見ることができ、さらに、数学的なツールとしてはゲーム理論のようなものがふさわしいことを、予言しているとも言えるのだ、という箇所。
※「ナッシュ均衡」とはプレイヤー全員が互いに最適の戦略を選択し、これ以上自らの戦略を変更する動機がない安定的な状態(均衡状態)になるような戦略の組み合わせのこと。

「ウッドベリー」という70〜80人から構成される仮村落にいるミルトンという男。
彼はウォーカー(ゾンビ)の習性や身体的特徴などを研究しており、とくに死に絶え、ウォーカーになったあとも生前の記憶や感情が残存するのかに関心を置く。
これなども植物人間や脳死状態の人の人権やインフォームドコンセントなどじつは現代にも通底する話でもある。
まったくなくもない話でいうと、狂牛病や鳥インフルエンザなど(詳細は存じませんが)仮にこういった不治の病でかつ、人を凶暴化させる病気があったとして、その人の処遇をどうするか。

アメリカ・ドラマをある一定数観ると、どうしてもくだらぬ妄想をしています。
こういった危機的状況にある中で、グループメンバーのオールスターを考えてしまうのです。
それこそ各ドラマの主人公から構成されるクルーでいれば、かなり強いグループになるんじゃないかと。
  • 『24』からジャック・バウアー。(絶対死なない不死身、拷問直後でもピンピンしている恐るべき体力、一体何か国語話せるのか未だに不明のマルチリンガル、運転できない乗り物はない、特殊部隊にいたので殺傷能力がとても高い、一瞬の判断力・動物的勘の鋭さ...etc)
  • 『プリズン・ブレイク』からマイケル。(IQが変態なほど高い。建築技師。抜け出せない状況がない、どんな苦境でも最適解を導き出す)
  • 『LOST』からジャック・シェパード。(医者。医術はサバイバル環境にあってはもっとも役立つものの一つ。正義感に厚い、信頼できる。ただし、情緒不安定になることがあるので、そのときは要注意)
  • 『ウォーキング・デッド』からはリック。保安官なので銃の扱いに慣れてる。あとは例に漏れずこちらも正義感に溢れる。
と他の登場人物たちも考えていくとキリがないので、この辺でやめますが、主人公は間違いなく正義感が強い、リーダーシップ旺盛な白人男性という共通項がありますね。

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【前回の「ウォーキング・デッド」の話題】⇒ 中島らもと「ウォーキング・デッド」

2014年5月10日土曜日

中島らもと「ウォーキング・デッド」


今週1週間は不運だった。
風邪が一向に治らず、学校にも仕事にも行けなかった。
一日だけ出勤してみたものの、鼻水と咳で周りに迷惑がかかってしまう。

そこは家でおとなしく過ごし、一刻も早く体を治すことに。
さて、どう過ごそうか。

競馬、サッカー関連のものは前に寝込んだときに、だいぶ見たので、今回は野球関連のYoutube動画をむさぼる。
それもだいぶ落ち着き、アメリカで現在放送されているところまでの『24』の新シーズン「Live Another Day」を観る。
これまでのシーズンとはガラリと変わったジャックやクローイの置かれた状況に少し戸惑いつつも、新しい展開をおおいに楽しむ。
それも観終えると、次は新しいドラマに取り掛かろうと思う。
ただし、いつも新しい作品に手を出そうとするときは、少したじろぐ。
多くの人が観ないという理由に挙げるように、とにかくアメリカ・ドラマは長いのだ。

たしかに自分自身、これまで海外ドラマに費やしてきた時間を思うと陰鬱になるが、それだけ得た対価も多いと思う。
緻密かつ壮大なプロット、日本のドラマとは比べ物にならない制作費を投じて作られているだけあってスケールの桁が違う。
思考の枠が一つ、また一つと取り払われていくかのように、ものの考え方・捉え方が大きくなる。
たしかにシリーズものは時間をとられる。
『ジョジョ』などその典型だけど、そのぶん得られた興奮や、何かしらの「楽しみ」が増えるというのは基本的に嬉しいものだ。『ジョジョリオン』の新刊は今でも楽しみに待っている。

キーファー・サザーランド主演『TOUCH』を観るか、『HOMELAND』のセカンドシーズンを観るか、悩んだ挙句、どちらでもない『ウォーキング・デッド』を観ることに。
海外ドラマを見漁っている後輩が勧めてくて、単なるゾンビものというよりは、"生の意味"などヒューマン・ドラマの要素もあるということで観てみることに。
つい今しがたシーズン1を観終えた。

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パニック要素、チームを形成していくこと、サバイバルなど『LOST』との共通項も多いものの、考えてみれば『LOST』よりもリアリティがある。(言うまでもなくキャラクターの配置にはかなりの共通点がある。たとえば主人公は圧倒的なリーダーシップでみんなを引っ張る。LOSTはジャック、WDはリック)
というのもご覧にられている方はお分かりのことと思うが、『LOST』は超常現象、神秘的宗教的な要素をストーリーに多分に含んでいる。
一方、『ウォーキング・デッド』ではそもそもの設定で死人がゾンビ化するという非現実性があるもの、それ以外は(それも100%ないとは誰も言い切れないと思いますが)徹底的にリアリズムが貫徹されている(少なくともシーズン1までは)と思いました。
最後のエピソードで、これまでキャンプを張っていた登場人物たちは、ある感染防止のための衛生施設にたどり着く。
そこで久々にありつくワインなどの嗜好品やあたたかいシャワー、恍惚を浮かべた顔、幸福感に包まれる面々。
日常で「当たり前」と化したものへのありがたみを思い出す象徴的なシーンですが、インドで2週間修行し、施設を出たあと駆け足で露天に行き、キンキンに冷えたコーラを飲み干したときのこと、2週間ぶりに浴びたシャワー、レストランで食べたバナナパンケーキなど自分自身の体験を思い出さずにはいられませんでした。
こうやって自分自身の体験や記憶を喚び起こさせてくれる点で、作品鑑賞というのは、(こうやって病床にふけてみるというのも)折にふれて意識的に行う価値のある行為なのではないかと多少思ったりしたのでした。
そもそも舞台は日本とアメリカで違えど、内容はほぼ『アイアムアヒーロー』と似てますよね。

映像ばかりを見ていると、今度は活字が恋しくなってきます。
さて、何を読むか。
ざっと自分の本棚を左から右へ、眼を移動させると、中島らもが目につきました。
そういえばずいぶん長いこと、読んでいなかった。
ちょうど課題図書など読まなければならない本もたまってはいたのですが、熱気味で読む気にならない。
だったら軽く、頭を空っぽにした状態で読めるものがいい。
らもの小説だとそれこそ本当にトリップ気味になるのが怖かったので笑、エッセイを読むことに。
高校1年生のときにとくに印象的だった一冊が『牢屋でやせるダイエット』。

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いつ読んだかも覚えてない、『砂をつかんで立ち上がれ』と『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』を読み終えた後、今は『僕にはわからない』を読んでいます。


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たまに読むといいですね。
いろんな生き方があっていい、小銭数十円しか持ってなくても大丈夫、とにかく「人生どうにかなるんだ」というシンプルで当たり前のことが再確認できるから。

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【前回のアメリカ・ドラマの話題】⇒『24』表象文化論的考察

2014年5月7日水曜日

『24』表象文化論的考察


風邪で寝込んでたときに、一気に『24』を観切りました。
タイミング的にも『Live Another Day』がアメリカで放送開始になるので、ちょうど良かったかと。

LOST』、『プリズン・ブレイク』などアメリカ・ドラマの主要なものは観てきましたが、個人的は圧倒的に『24』がいちばんおもしろかったです。

基本的にシーズン完結型なので、『プリズン・ブレイク』のようにわざとストーリーを引き伸ばしてる冗長感がない。
『LOST』のような回想シーンもなく、すべてが刻一刻とリアルタイムに起こっているので物語に緊張感が常に張っている。
それこそ、ランダムにエピソードひとつ取ってきてみても楽しめるくらい。

『24』の面白さの要素を列挙していけば色々あるんでしょうが、なによりその大袈裟すぎる、だけどリアリティもあるそのプロット。(『24』が自己達成予言的に引き起こした事件も1つや2つありそう笑)
視聴者として思うのは、「中国」とか「ロシア」とかまったくそのまま敵国として描いてて、「いいのか?笑」って思うことがしばしば。
去年くらいにあった中国領事館爆破事件とかあると、『24』を想起せずはいられない。笑

そこは自由の国アメリカだからこそ許されるのか、分かりませんが。
そもそもハリウッド映画で敵といえば決まって、ロシア系か中国系か、最近でいえばアラブ系。
たんなるステレオタイプというより、そこには戦略的な政治プロパガンダ性もある。
そもそも味方の側でも一瞬で撃ち落とされるような駒エージェントは有色人種が多い。

劇中では国産車しか使わないとか、そういう細やかなナショナリズムももちろんでしょうが、最たるものは主人公で最強の男ジャック・バウアーが超愛国主義者として描かれていること。
家族や自己を犠牲にしてまで、国や正義に奉公しようとする。

昔、聞いた都市伝説で今でも「なくもないな」と脳裏に焼き付いてるものがあります。
詳細が分からなくて、ザックリなのですが、
たしかアレはオバマが大統領になる前の大統領選。
民主党は大統領選候補にオバマ(黒人)とヒラリー(女性)というどちらがなっても初となる候補者を擁立していました。
そして、(このへんの事実関係も分からないのですが)『24』を放送するFOXが民主党系らしいのです。
さて、ここからが『24』という壮大な政治プロパガンダ装置を思わせる設定の数々。
『24』というドラマでは主人公のジャック・バウアーの不死身ぶりも見どころですが、"大統領"という一国の長の立ち振舞、政治的決断、指導力も見応えがあります。
まずはじめに登場する大統領、ディヴィッド・パーマー。
黒人の大統領。
高貴な人物で、正義感に強く、人望にあつい。
なるべくプロットには触れずにいたいので、なぜ政権交代が起きたかなどには触れません。

友達がアメリカに留学していたときに、保険のCMにディヴィッドが出ていて吹いたそうですw 説得感しかありません。僕だったら加入してしまいそう笑

シーズンの後半に出てくるのが、こちらも正義感満点の女性大統領アリソン・テイラー。
実の娘も情状酌量の余地なく、刑務所へ送るほどの人物。
彼女もディヴィッドと同じく、次から次へと家族を失っていきます。
政治の中枢に身を置くと、家庭崩壊はもれなくセットといったところ。

黒人、女性、民主党が送り出そうとしている候補者と重なるディヴィッド、アリソンはどちらも総じて公明正大、偉大な指導者として表象されている。
それに対し、途中で副大統領から昇進して登場するチャールズ・ローガンというのは極悪非道の最低最悪やろうとして描き出されます。
彼はアメリカの今までの大統領であった"白人男性"です。
上記二人の新しい大統領イメージとチャールズとの間には痛快なほどの線が引かれています。

こういった娯楽エンタメを通してのイメージ形成(ときにサブリミナルな)がどれほどの効果を持つかは分かりませんが、少なくとも何らかの集合意識は出来てきそうです。
かくいう僕もディヴィッドとオバマさんが時々重なったりするので。
このFOX陰謀説が本当だとしたら怖いですね。笑

というより、大統領選があるたび、その裏で何人死んでるのやらと想像せずにはいられなくなってしまいますよ、『24』みると。


さて、風邪も良くなってないので続けて『Live Another Day』観ます....。
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2013年12月23日月曜日

ニーナ・マイヤーズの所業


『24』のシーズン1を観終わった人が、もっとも深く驚き、ショックを覚えるのは、まず例外なくニーナの裏切りではないでしょうか。

ぼくもその一人です。
『24』では裏切りが常態化し、誰も信用できない。
視聴者側からみると、ニーナは真っ先に疑われそうな存在です。
製作陣は狡知を利かせ、ストーリーの早い段階で、ニーナに意図的に嫌疑をかけ、それを晴らしておきます。
このワンクッションを置いたことで、シーズンの最終エピソードでのニーナの裏切りはにわかに信じがたかった。

ですが、彼女が突然、セルビア語?を話始めたとき、点と点がつながり始まるのです。

考えてもみれば、ニーナは本来、バウワー夫妻にやっかみを抱いてもおかしくない存在です。
なのに、普通では考え難いほど、親身に、必死に彼らに協力していた。

まあ、こんな個人的な失望を寄せた感想なんてどうだっていいんです。
ニーナに好意を寄せていた僕は、まんまと騙されたことが悔しくてたまらないんです...。笑

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2013年10月7日月曜日

米ドラマと日本のドラマの決定的な違い―『HOMELAND』エピソード6をみて


24』の制作陣による、『HOMELAND』という米ドラマをここ3日間くらい観ていました。
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先日の『ゼロ・ダーク・サーティ』といい、なぜかCIAものというか、諜報ものが意図せず続いているのですが、ハラハラする展開云々というよりも、頭脳明晰なエージェントたちが集う国家の諜報機関のエース級たちが緊急事態にいかなる行動準則を瞬時に編み出していくのか、勉強になるというか、そっちのほうが僕的には面白いです。

物語のあらすじとしては、死んだとみられていた米兵捕虜ブロディが救出され、米国の英雄として担ぎ出されます。
CIAエージェントのキャリーがバグダッドで死刑執行直前の、死刑囚から米兵がアルカイダに寝返ったという情報を耳にします。(当然、死ぬ間際にわざわざ口にした情報なので、信憑性は高い)
ところが、確証というか、裏付けはないし、ヒーローとしてブロディを描き出したいCIAや政府の思惑とは反することになる。
そこで、彼女ひとりで極秘にブロディを監視し、証拠を掴むべくオペレーションを開始するわけです。



はじめは、ブロディの自宅に監視カメラを設置するなどして、様子を伺っていたのですが、結局決定的な証拠はつかめず、ついに人権に反するなどの理由から、監視カメラでの監視を諦めざるを得なくなる。
最終手段として、直接ブロディにコンタクトをとるキャリー。
ここから日本のドラマだったらありえないと思うんですが、コンタクトをとったその日に二人で酒を飲みまくり、そのままヤってしまうという...。
なんともアメリカらしい。
そもそもアメリカというのは、父親像であったり、夫像であったりが強烈に意識されている気がしてなりません。
そのわりにセックスは簡単に誰とでもやってしまう。
ドラマトゥルギー」の観点から、日常で彼/彼女らが演じているアイデンティティの諸相をみるとアメリカほど分析がいのある国はないのではないでしょうか。
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2012年2月9日木曜日

やっとLOST観終えました


受験期かなりハマってて、よくアメリカドラマを観てたんですが、ロストはシーズン5で止めてたんです。
んで、また一週間前くらいから観始めて、つい一昨日くらいにファイナルシーズン観終えました。

また観始めたきっかけもなんとなくTOEIC前に英語に耳を慣らしておくかくらいの軽い気持ちで。
実際見始めると止まらないので、一日ずっと観てるってこともあって断続的に英語に触れられるので効果は結構あると思います。
パソコンの無料サイトでみているので、字幕とかはないですけど、そっちのほうが個人的にはいいです。
わからない単語がでてきても
(例えば)ジャックが"appendix"にかかった。
あれ、"appendix"ってなんだっけってなったら、即座に開いてあるタブの英辞郎で調べれば「盲腸」ってわかります。
字面だけで覚えようとするよりは、コンテクストと覚えたほうが記憶定着もいいです。

制作陣のストーリー構成力には毎エピソード驚嘆します。
シーズン4~5にかけてパラレルワールド的なストーリー展開になっていくんですが、個人的に大好きなテーマなので楽しめました。

個人的にロストで好きなキャラはマイルズとリチャードです。

Miles

Richard

あ、あとラピーダスも。

Lapidus

個人的に泣き所はペニーとデズモンドの再会のシーン。
ベンが回心するシーン。
あとはチャーリーとクレアの再会かな。

ラストに関してはアメリカの宗教事情というか、背景がわかっていないと理解が難しいかもしれません。

いやいやLOSTは個人的には相当オススメです。



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