Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年10月17日木曜日

院試について―東京大学大学院学際情報学府の場合


来春から東京大学大学院学際情報学府に進学することになります。

博報堂でインターンをしていたときにお世話になったメディア局の局長さんがココで「広告ビジネスコミュニケーション論」の講義を担当していたり、社会学、メディア論の一線級の先生方が顔を揃えられていること、海外の大学院に進学することも考えましたが、ココに決めました。
悩みになやんだ結果です。(思う所は去年書いた「就職、進学、生きていく事」というエントリーに書きました。その時からも紆余曲折はありましたが)

この大学院の特徴は文理横断の「学際性」に重きを向いていることです。
コースは5つあります:


メディアにもよく顔を出す出身者でいえばチームラボの猪子(@inoko21)さんがたしか先端表現を中退で、評論家の荻上チキ(@torakare)さん、原発以後メディアで発言の多い開沼博(@kainumahiroshi)さんは博士課程に在籍しています。先日ブログでも取り上げた『「統治」を創造する』で執筆陣に名を連ねていた生貝直人(@ikegai)さんも出身者ですね。

注釈:おかげさまでこの記事は数万PVくらいみられているようです。今でも検索流入があるようなので、せっかくの機会ということで若干の加筆・修正したものを「note」に掲載しました。気になる方はぜひこちらから。

2013年10月15日火曜日

『モテキ』映画、ドラマ、マンガ全てをみて


おおくの人が映画をみたことと思います。
長澤まさみ、仲里依紗、麻生久美子、真木よう子という映画ならではの女優陣。
ドラマをみていなかった人も、話題につられるがままに見た人も多いと思います。
(僕は見終わってすぐに、サントラ『モテキ的音楽のススメ』を借りにTSUTAYAに駆け込みました)
モテキ的音楽のススメ 映画盤モテキ的音楽のススメ 映画盤
オムニバス

SMAR
売り上げランキング : 7883

Amazonで詳しく見る
もともと久保ミツロウさん(実は女の人です)原作のマンガ全4巻が土台となって、大根仁監督がメガホンをとってドラマ化。
いい意味でテレ東っぽい映画で、演出も脚本も秀逸。
あくまで原作のストーリーラインにのっとりながらも、ドラマならではのアクセントが加わった仕上がり。いまHuluでみれます。

映画もドラマもすんごい楽しめるのは間違いないのですが、個人的にススメたいのがマンガ全4巻とは別冊の4.5巻。
モテキ(4.5) (イブニングKC)モテキ(4.5)
久保 ミツロウ

講談社

Amazonで詳しく見る
前半部はいつかちゃんに特化した物語が収録されているのですが、後半はファンブックというか久保ミツロウさんの制作秘話のライナーノーツ的なものが収められています。
個人的に目からウロコの話が多かったのが、最後に入っている久保ミツロウさん、ドラマ監督の大根仁さん、そして映画・ドラマで主人公藤本幸世を演じた森山未來の県談。



大根仁監督と森山未來さんが今作以前から知り合いということもあって、キャスト演出を飲みながら二人であーだ、こーだ話し合っていたというのが面白かった。
あとは女神輿のアイディアはもともと電気グルーヴだったというのも、知らなかった。
久保さんが言及してた『宮本から、君へ』気になります。
定本 宮本から君へ 1定本 宮本から君へ 1
新井 英樹

太田出版

Amazonで詳しく見る

2013年10月10日木曜日

「リーガル・ハイ」シーズン2が始まりました


はじまりましたねー。
視聴率も好調だったようで、「半沢」の初回よりも良かったようです。(参考:堺雅人主演ドラマ初回視聴率21.2% 「半沢」の初回超え今期最高スタート

ぼく自身は昨晩は深夜までイベントの仕事が立て込んでおり、今朝も原稿の〆切に追われていたので、先程録画しておいたものをみました。

今回のシーズン2で鍵になりそうなのは、古美門事務所で実習を積み、検事として古美門陣営と対決した後、個人事務所NEXUSを立ち上げた岡田将生演じるイケメン弁護士・羽生春樹。
どうやら新垣結衣演じる黛真知子に好意を抱いているらしく、シーズン2では恋沙汰要素もありそう。
そして新事務所NEXUSはフジテレビ系ということもあって、小栗旬主演のドラマ「リッチマン、プアウーマン」の会社オフィスのを思い出させる雰囲気。
終盤には、新垣結衣が「倍返しだー!」と言いそうになって、寸止め。代わりに「やられたら、やり返す!」。
半沢」のような、決めゼリフとなるんでしょうか。

「真実」を暴くことに情熱を燃やす黛に対して、古美門がこのように諭します。
弁護士の仕事は、真実を明らかにすることではなく、クライアントの依頼に応えることである。
このセリフに「リーガルハイ」の全要素が詰め込まれているような気がしました。

  

【前シーズンについてのものなど】
リーガル・ドラマはなぜかくもこうおもしろいのか
「半沢直樹」が50%で幕を閉じ、「リーガル・ハイ」シーズン2がはじまります

2013年10月8日火曜日

読書『なぜメディア研究か―経験・テクスト・他者』ロジャー・シルバーストーン著

なぜメディア研究か―経験・テクスト・他者

ロジャー・シルバーストーンの『なぜメディア研究か』(原題:Why Study the Media?)を読みました。
彼はBBCのドキュメンタリーをはじめ、TVの現場で実務者としての経験を積みながら、アカデミックな世界においても「メディア論」という新しい学問領域のフロンティアで先鞭をつけ続けてきた権威です。
LSEの教授であり、同校大学院に設置されたメディア・コミュニケーション学科長でもあります。
(数多くの著書を上梓なされていますが、おそらく本著を脇に置くと、『テレビジョンと日常生活』(原題:Television and Everyday Life)が最も広く読まれている一冊かと思われます。
Television And Everyday LifeTelevision And Everyday Life
Roger Silverstone

Routledge
売り上げランキング : 274538

Amazonで詳しく見る
訳者の一人でもある東大・学際情報学府教授の吉見俊哉先生がゼミでも輪読した、とあとがきで書かれているように、おそらく世界中でメディア論を学ぶ学生たちの必読書となっていると思われます。
文体が独特で、軽妙にリズムよく流れていきながらも、行間の背後から伝わってくるコンテクストには彼の実務者としての経験とメディア論を包括的に網羅したアカデミックな知が充溢しています。
あとがきから少し引用
本書は、メディアを学び、研究するとはいったいどういうことなのかを、深部から解き明かしていく。いわば本書はメディアについてのメディアであり、私たちの日常的実践が織りなす無数の媒介作用を、その媒介作用の中に身をおきながら研究するための手引きである。
本著のはじめの方で、シルバーストーン教授自身がこのように述べています。

ロジャー・シルバーストーン教授
プロセスとしての媒介作用についてのわれわれの関心は、私たちがなぜメディアを研究しなければならないかという問いの中心にある。私たちは、経験と表象の敷居を超えて意味が動いていくありように、注意を注いでいかなければならない。
アイザリア・バーリンがメディアを「経験の総体的なテクスチュア」と呼称したように、日々流れていくなかで、積層として形成される私たちの経験の集合体を造形する主体がメディアに他ならず、純粋培養される"経験(experience)"というのは、本来ないはずなのかもしれません。 
そういう意味で、ジュディス・バトラーらのパフォーマンス論、ドラマトゥルギーを再考すると、新たなる視座が拓けるような気がします。
行為や身振りや欲望によって内なる核とか実体という結果が生み出されるが、生み出される場所は、身体の表面のうえであり、しかもそれがなされるのは、アイデンティティを原因とみなす組織化原理を暗示しつつも顕在化させない意味作用の非在の戯れをつうじてである。一般的に解釈すれば、そのような行為や身振りや演技は、それらが表出しているはずの本質やアイデンティティが、じつは身体的記号といった言説手段によって捏造されている偽造物にすぎないという意味で、パフォーマティブなものである。ジェンダー化された身体がパフォーマティブだということは、身体が、身体の現実をつくりだしている多様な行為と無関係な存在論的な位置をもつものではないということである」『ジェンダー・トラブル
シルバーストーン教授の言葉を付言しておきます。
メディアによる記憶化は、媒介された記憶である。技術は記憶と結びつき、記憶に媒介する。われわれは生きていくためにさまざまな付録を、つまり過去という時間のビタミンを提供され続けているのである
マイケル・レーノフが指摘したように、メディアはいつだって叫び狂っています。

「私を信じろ、私が世界だ」と。
注意深く、私たちを説得しようとするメディアの狡猾な立ち振舞いを眺めてみると、そのメカニズムは通時的な様態をみせていることに気付かされます。たとえば、紀元前すでにキケロは『弁論家について』でこんなことを言っています。
強い印象は、一点の力説、明快な説明、事件があたかもそこで起きているかのように思わせるほとんど視覚的な表現によって作られる。それは出来事の叙述にも、意見の説明と増幅にも非常に効果的であり、雄弁と同じ程度に、増幅しようとする事実が重要であるように聞き手に見せることもできる。説明は、しばしばすばやい再検討や、実際に言ったこと以上の理解を促す示唆、あるいは明快さを求める簡潔性、品位の格下げやからかいなどによって相殺され...(以下、略)」
弁論家について〈上〉 (岩波文庫)弁論家について〈上〉 
キケロー,Cicero,大西 英文

岩波書店
売り上げランキング : 19957

Amazonで詳しく見る

歴史にはパターンがあるといのは史家学者の見解の一つではありますが、メディアという観点からそれを考察するとき、経路は似たり寄ったりでも、時代毎に主体となる物象は常に変遷してきました。たとえば、リチャード・マッケオンの言葉を引くと
ローマ人のレトリックにおける共通の場は実用的技術と法律の知識に由来し、人文学のレトリックにおけるそれは芸術と文学から来ている。そして、私たち現代人のレトリックは、商業広告と計算機のテクノロジーの内にその共通の場を見出すのである。
まあ、この辺の話を突き詰めていくとポストモダンの思潮に行き着くことになりそうなんですが、(そういう意味でいうとメディア論自体は現代思想と親和性が高そうです)ジグムント・バウマンの社会におけるモラリティについてを最後に引っ張っておきます。 
モラリティは社会の産物ではない。モラリティは社会が操作する、つまり搾取したり、向きを変えさせたり、無理に押し込めたりするような、なにもかもなのである。裏を返せば、不道徳な行動、言い換えれば他者に対する責任を見放し、放棄する行いは、社会の機能不全の結果ではないのである。それはむしろ主観性の社会的管理という問題の位相で探求されねばならない、モラルというよりはインモラルな行動の発生のことなのである。
Modernity and the HolocaustModernity and the Holocaust
Zygmunt Bauman

Polity

Amazonで詳しく見る

2013年10月7日月曜日

米ドラマと日本のドラマの決定的な違い―『HOMELAND』エピソード6をみて


24』の制作陣による、『HOMELAND』という米ドラマをここ3日間くらい観ていました。
HOMELAND/ホームランド DVD-BOX1HOMELAND/ホームランド DVD-BOX1
クレア・デインズ,ダミアン・ルイス,マンディ・パティンキン,モリーナ・バッカリン

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
売り上げランキング : 4460

Amazonで詳しく見る
先日の『ゼロ・ダーク・サーティ』といい、なぜかCIAものというか、諜報ものが意図せず続いているのですが、ハラハラする展開云々というよりも、頭脳明晰なエージェントたちが集う国家の諜報機関のエース級たちが緊急事態にいかなる行動準則を瞬時に編み出していくのか、勉強になるというか、そっちのほうが僕的には面白いです。

物語のあらすじとしては、死んだとみられていた米兵捕虜ブロディが救出され、米国の英雄として担ぎ出されます。
CIAエージェントのキャリーがバグダッドで死刑執行直前の、死刑囚から米兵がアルカイダに寝返ったという情報を耳にします。(当然、死ぬ間際にわざわざ口にした情報なので、信憑性は高い)
ところが、確証というか、裏付けはないし、ヒーローとしてブロディを描き出したいCIAや政府の思惑とは反することになる。
そこで、彼女ひとりで極秘にブロディを監視し、証拠を掴むべくオペレーションを開始するわけです。



はじめは、ブロディの自宅に監視カメラを設置するなどして、様子を伺っていたのですが、結局決定的な証拠はつかめず、ついに人権に反するなどの理由から、監視カメラでの監視を諦めざるを得なくなる。
最終手段として、直接ブロディにコンタクトをとるキャリー。
ここから日本のドラマだったらありえないと思うんですが、コンタクトをとったその日に二人で酒を飲みまくり、そのままヤってしまうという...。
なんともアメリカらしい。
そもそもアメリカというのは、父親像であったり、夫像であったりが強烈に意識されている気がしてなりません。
そのわりにセックスは簡単に誰とでもやってしまう。
ドラマトゥルギー」の観点から、日常で彼/彼女らが演じているアイデンティティの諸相をみるとアメリカほど分析がいのある国はないのではないでしょうか。
都市のドラマトゥルギー (河出文庫)都市のドラマトゥルギー
吉見 俊哉

河出書房新社
売り上げランキング : 15830

Amazonで詳しく見る

2013凱旋門賞 今年も願いは通じず


なんだか毎年、凱旋門賞についてブログを書いている気がします。
ヒルノダムール、ナカヤマフェスタが参戦した2011年
そして一時は最後の直線で先頭に立ちながらも、失速し2着に終わった昨年
今年は前哨戦のフォア賞を完勝し、状態も好調をキープ、一番人気に支持されていました。そして、オルフェーヴルのみならず、ダービー馬キズナも武豊を鞍上に参戦。
父ディープインパクトが果たせなかった夢を背負って出走。
過去に類をみないほど、日本馬が勝利に近いとされたレースでした。(参考:「凱旋門賞を前にして」)

自宅で観戦する予定だったのですが、仕事が終わらずにそのまま出先で観戦することに。

結果は、仏オークス馬のトレヴに完敗。

負けると、言い訳ばかりが多く浮かびます。
まずこの凱旋門賞というレースは"斤量"が物を言います。
というのも、過去の勝ち馬をみても3歳馬がとても多い。
このトレブに関しては、オルフェーヴルと斤量に5も差がある。(4歳以上の牡馬は59.5を背負います。日本だとなかなかない斤量です)
そしてなんといっても、日本からフランスまでの長距離飛行機輸送があるのとないのとでは、疲労面で差がないわけがありません。

まあ、それでも池江さんはインタビューで「やりきった」と言っていたので。
どうやらオルフェーヴルは有馬記念を期に、種牡馬入りする見込み。

【参考記事】
(レース前)
追い続けた世界最高峰のタイトル 「凱旋門賞」を日本馬が勝つ意味 - THE PAGE
(レース後、各所談話など)
凱旋門賞 オルフェーヴル2着 キズナ4着 - NHK NEWS WEB

2013年10月2日水曜日

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』キャスリン・ビグロー監督作 12'


監督は『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー。

ビン・ラディンの追い続け、最後は彼を暗殺にまで追いやったCIA職員の女性の執念の物語。
主人公のマヤを演じたのはジェシカ・チャステイン。どこかでみたことあると思いきや『ツリー・オブ・ライフ』ですね。
彼女は高校を卒業して、CIAにリクルートされたといっていましたが、そんなパターンもあるんですね。そもそもCIAってどういう経路で入るんだろう。
そういえば、この前、イスラエルの諜報機関・モサドのHPをなんとなく眺めていたら、普通にリクルーティング・ページがありましたね。
モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関 (集英社文庫)モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関
落合 信彦

集英社
売り上げランキング : 114050

Amazonで詳しく見る
エシュロンはじめ、21世紀のテクノロジーの最先端技術、切れ者ぞろいの人的リソースを有するCIAでも、世界最大規模のテロリスト集団の首領ビン・ラディンの居場所を特定するのは容易ではない。
彼はプロ中のプロで、何段階もの迂回を経て、連絡員とネットワークを維持し、自らの顔はぜったいに表には出さない。
プロのスパイ技術とCIAの諜報技術のぶつかり合い。最後はマヤの情熱が実を結ぶ。

【完全主観採点】★★★☆☆




ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション
ジェシカ・チャステイン,|ジェイソン・クラーク,ジョエル・エドガートン,ジェニファー・イーリー,マーク・ストロング,キャスリン・ビグロー

Happinet(SB)(D)
売り上げランキング : 702

Amazonで詳しく見る