タイトルからも推測できるように、広告業界に興味を持っている就活生や代理店でインターンをしてみたい学生にとっては現代の広告業界を知るための教科書にもなるし、代理店で働いている人にとってもこれからの仕事の指針というか舵取りのための航海図になるようなエッセンスがふんだんに含まれていると思いました。
広告関連の本を読むと(とくに初歩的な)、必ずといっていいほどジェームズ・ヤングの『アイデアのつくり方』への言及があります。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」というかの有名な思想がまずベースにある。
『考具』でも幾度となく終始、繰り返しこの認識の大切さが強調されてます。
世界最古のマーケティング・プランナーとしてマルティン・ルターを挙げられていました。とってもおもしろいし、たしかにと唸りました。
大学での自身での講義は、オウンドメディアもしくは戦略PR。宣伝ビラパンフレットは今でいう雑誌とチラシなどのペイドメディア。演劇は、イベントタイアップであり、賛美歌はオリジナルのCMソングだ。じつはベネディクト・アンダーソンも『想像の共同体』のなかで、ルターを出版資本主義の誕生以後、はじめてベストセラー作家となった人物として挙げているんです。
ルターの宗教革命は、現代に生きる私たちにも多大なる影響を与えているんですね。
連綿たる歴史の連続性を感じずにはいられません。
新書で手軽に手にとれるし、内容も平易かつページ数も薄いので2時間くらいで読了できます。
電通や博報堂など、代理店でのインターンを考えている人にはぜひ一読をオススメしたいです。
併せて佐藤尚之著『明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法』、須田和博著『使ってもらえる広告』も新書で読みやすく内容も刺激的です。
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