Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年12月11日水曜日

読書『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編・マクロ編』ティモシー・テイラー著

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編

スタンフォード大で学生が選ぶ"年間最優秀講義賞"を受賞したというティモシー・テイラー氏著の経済学入門の本をミクロ編・マクロ編をそれぞれ読みました。
iTunes Uでも見れるんですかね。。

僕も学部時代は国際政治経済学部だったということもあり、ミクロもマクロも必修だったわけですが、懐かしくなって、既知の知識をなぞりながら楽しんで読めました。
ミクロ・マクロの初歩的な考え方を学んでいくわけですが、じっさいの世界経済を題材にするとき、中心となる考察の土台はテイラーの出身国アメリカとなるわけです。

彼自身、債務がたまっていく一方のアメリカ経済を憂慮しながら、ときに解決策を提示しながら、議論を進めていくので読み応えもあります。

ミクロ編で重要なポイントとして挙げられるのは3点。

①市場は、かぎられた資源を分配するための非常によくできたしくみである。生産性アップや技術革新、資源の節約、消費者のニーズの充足といった目的が効果的に実現され、生活水準の向上につながっていく。
②市場のしくみは、うまくいかないときもある。独占や不完全競争、公害に代表される負の外部生、技術の停滞や公共財の不足、貧困、格差、情報の非対称性による弊害、監視とコントロールの難しさなど。
③政府は市場の問題を解決するうえで大事な役割を負っている。しかし、政府も不完全な存在であり、問題をかえって大きくしてしまうことがある。



需要から見たGDPをあらわした
GDP=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+X(輸出)ーM(輸出)
のような初歩の初歩のようなこともかんたんに触れられてはいますが、テイラーの狙いとしてはざっくりと経済の知識を学び、大局観を掴むことだと思います。

個人的におもしろかった箇所としてはマクロ編の<16章 為替相場―通貨高で得をする人、損をする人>の冒頭で引用されていたサンフランシスコ連銀で研究員を務めるケン・カーサの話。

「経済学者を何人か無作為に選んできて、人類にとってもっとも難しい問いは何かと尋ねたら、次の3つの答えが返ってくるだろう」

①人生の意味とは何か
②量子力学と一般相対性理論はどのように結びつくか
③外国為替市場ではいったい何が起こっているか

言うまでもなく、③を経済学者が挙げているところがミソなんですね。

とまあ学問は数あるわけで、それを一つずつ大成しようとしたところで、努努叶うものではない。
だけれども、ときに入り口に入って、遠くを眺める(=初歩をかじる)ことは大事なことなんじゃないかと思うわけです。

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