Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年12月23日月曜日

読書『ルールを変える思考法』川上量生著

ルールを変える思考法 (角川EPUB選書)

ドワンゴ会長・川上量生さんの『ルールを変える思考法』を読みました。
先日、Kindle Paperwhiteを購入し、とりあえずまずなにかをDLしようということで、この本を。
川上さんと面識があるといえば完全に語弊があるのですが、以前「100時間TV」というYoutubeの企画番組をやったときに初回ゲストで来てくださったので、そのときにお目にかかったことがあります。
そのときの動画が、つい2〜3日前に短縮編集されたばかりですので、良かったらどうぞ。(おもしろいですよ〜。ジブリでの見習いプロデューサーの話などが聞けます)



一度でもお会いしたことのある人の、語る言葉はスッと頭に入ってきます。

自身がゲーマー気質であることも鑑みた上で、ゲームから学べることについて繰り返し述べられています。
狭義のコンピュータ・ゲームやテレビ・ゲームに限らず、ゲーム要素は日常に埋め込まれている。
とくに川上さん個人は、ボードゲームといったアナログなゲームから相当影響を受けたと語っています。
僕でいえば、ポーカーや競馬ですかね。
他のプレイヤーを出しぬき、いかに多くのパイを勝ち取るか。
思考を一歩でも先に推し進めていかなければ、他人より頭一つ分抜け出すことは難しい。
日常のなかで、常に意識してゲーミフィケーショナルなフレームワークを持つこと。
川上さんは、こうおっしゃっています。
現実に飽きたらゲームをやって、ゲームに飽きたら"現実のゲーム"で遊ぶ。そんな使い分けができるようになるのが理想ではないでしょうか。
読んでいるあいだ、同じゲームを話題にしているということもあって、日本人唯一のプロゲームプレイヤー・梅原大吾さんを想起しました。

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)勝ち続ける意志力
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もちろん二人の集中力の注ぐベクトルは異なるわけですが。

ゲームデザイナーなら必読書ではないでしょうか。
ゲームをデザインする上で、川上さんの豊富な経験から引き出される私見をいくつも述べられているのですが、一番本質を衝く言葉として印象に残ったのは、
人の感情を動かすのは「わかりそうで、わからないもの」
そのほかにも「超会議」の舞台裏やドワンゴにおける数々の突飛な新戦略、そのあたりにも触れられています。
ドワンゴといえば、最近発表された新卒採用の方法が話題になってましたね。
新卒入社試験の受験料制度導入について | ドワンゴ」 

あとゲーム論とは関係のないところで、人間論というか、これからの世界といった大きな話になったときに川上さんの思考の鋭利さがかいま見える独特の論がありました。
このままネット社会が高度化していくと、人間はミトコンドリア化していくのではないかということ。
まあ、一番よく聞くところでは、エレベーターとかエスカレーターが社会で当たり前のものになると、人間の運動能力が低下していくということ。
これをネットの誕生・発展に紐付けて考えると、よく分かります。
「集合知」としてのいまの社会全体のクロック数は速くなったといっても、パーツである個々の人間のCPUとしての性能は落ちているように見えます。

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