Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年7月20日土曜日

明日は選挙。若者の投票率の低さ。人間の性。

2009年モルドバ、民主化を求めて蜂起した若者たち

明日はいよいよ参院選ですね。
僕は運営に携わることになり、朝から夜まで一日中、投票所にいます。

Tehuさん(@tehutehuapple)くんの「投票に行かない若者の皆さんへ。」というブログを読んで、少し感じたこと、思ったこと。
17歳にして、政治に関心を持ち、二院制のこれまでの変遷、参議院の仕組み、民主主義の意味をここまで理解していることが偉いというか(とりわけ日本において)、敬服したわけですが、若年者の投票率の低さはかなり根が深いと個人的には思っています。
世界中の、「民主主義」「選挙権」を求めて血を流して戦っている人々のところへ言って、なぜ選挙権を行使しないか説明してください
これはまさしくこの通りで、世界の各地では、選挙権自体を認められていなかったり、民主制が適切に浸透していなくて、透明性の低い不正な選挙が行われていたりします。
最近でもモルドバ、イラン、チュニジア、エジプト、リビアなどで民主革命がありました、エジプトではオンゴーイングな問題です。

古くは日本も板垣退助らによる自由民権運動が活発に行われていました。日本史なり、学校の歴史で学んだ通りです。「板垣死すとも自由は死せず」と、まさしく生死をかけた、自由の闘争が行われていたわけです。

こんなこと言うと、完全にペシミスティックで嫌なんですが、根本から「じゃあ、どうすればいいのか」を考えるために本質的なことを少しだけ考えておきたいと思います。
人間っていうのは「取り上げられている時は、渇望する」そして「一度、手にすると見向きもしなくなる
どれほど一般性があるかは分からないのですが、僕個人としては経験的直観かつ、色々な事柄に当てはまる、当てはまってしまうことではないかと思うわけです。

考えてみれば、幼少期。ずっと欲しかったおもちゃ。ずっとおねだりした末に、買い与えられると、その瞬間は狂喜乱舞するけど、少し時間が経つとそれほど当初よりも魅力的ではなくなり、いつしか放置する。

(これは、みんながみんなと言うわけではないと思いますが)恋愛でもよく聞く話で、(特に男性)追いかけているうちは彼女しか目に入らないのに、一度両想いになると、気持ちが冷めてしまう。



モンテーニュが『エセー』で言っていたこと。
「習慣は、それが受け入れられているという、ただそれだけの理由で、公平のすべてを形成する。これこそがその権威の神秘的基礎である」
「ところで掟が信奉されているのは、それらが正義にかなうからではなくて、それらが掟であるからだ。これが掟の権威の神秘的な基礎で、このほかに基礎はまったくない」 
あれほど渇望していた選挙権、自由、民主主義。
それが一度、自分のモノになり、「当たり前」の与件として日常に組み込まれると、「苦労して手に入れたことを忘れ」見向きもしなくなる。「喉元過ぎれば熱さを忘れる...」
政局闘争に奔走する政治への不信感や社会制度の不平は常々吐露するものの、選挙へは忙しくて行かない。
まあ、これにはまた別の問題もあって、以前
と、ツイートしたんですが。
分厚いシステムのうちに取り込まれて、政治に諸悪の根源あるのではないかという何となくの直観はあっても、本当に忙しすぎて、投票に行けない、各候補者の動向も追っている暇がない。
でも、本当に何か変えたいならば、行くしか、それしか選択肢はないわけです。
当日、選挙に行けなくても期日前投票がある。
ネット選挙が解放されたことで、以前よりも候補者各人の政策はより分かりやすく、多様になった。例えば、何人か、ツイッターでフォローするなり、過去のツイートを遡るだけでもだいぶみえてくる。
自分の考えがどういった候補、政党と近いのかを示してくれる「マッチングボード」もいくつもあります。
たとえば毎日新聞のボートマッチ「えらぼーと」。



そして、津田さんが前々からずっと言い続けてきた政治のメディア。
ついに「ポリタス」としてリリースされました。
ほぼ全ての著作に目を通している僕としても、なぜか感慨深いです。
詳しい話はハフィントン・ポストで記事になってました。「「党派ではなく、政策で政治家を選ぶ」 政治を可視化するメディア「ポリタス」を公開した津田大介さんに聞く 【読解:参院選2013】

ただ、すべての若者が選挙に行っていないなんていうことはもちろんなくて、若者の間でもずっと若者の投票率を上げようと奮闘している動きも以前からずっとある。
そういう活動をしている団体なりグループはいくつもあると思うのですが、僕の知り合いもやってて、ずっと知ってるはivote
学生団体ではありませんが、インターネット選挙解禁に向けて多大なる努力をしてくれたOne Voice Campaign
確実に変わり始めているのでは、間違いないですね。
環境はより、開かれてきた。詳しい話はこれも津田さんの『ウェブで政治を動かす!』に詳しいです。

そういえば今朝、ツイッターで平川克美さんが民主主義について大事なことを言っていました。
これはまさしくそうですよね。
あとは、投票だけじゃなくて、違うルートからも政治に働きかけていく。
これは河野太郎衆議院議員もブログの「声を上げますか、それとも泣き寝入りですか」という記事で言っていることです。
20世紀と現在では確実に政治が近いものになりうる土台が揃っている。
まずは、選挙から。

0 件のコメント:

コメントを投稿