Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年9月9日月曜日

読書『ネットがつながらなかったので本を1000冊読んで考えた』堀江貴文著

ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた  そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)

約半年前に『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』を読んで、それ以来のホリエモンの本を読了。
全部が全部というわけではないけども、ほとんどの本は目を通しているはず。けっきょく気になって手にとってしまう。
でも実際そのほとんどがサラリと読めてしまうので、燃費の良い読書ではある。
なんといっても文体がクリアカットで無駄な脚色はほとんどないから、実質知に対する無駄が少ない。省エネ。

獄中にいながらも、"情報脱獄"には成功していたといって憚らない氏。
というのも、刑務所内にある所蔵本などには目もくれず、ツイッターのTLをプリントアウトしたものや巷で話題の本、なによりも自身がもっとも注力している宇宙・ロケット関連の本は網羅的に読書したそう。

読書=インプットのさきになんらかの"アウトプット"を指向しなくては得られる情報の価値も減耗してしまうというのは読書論では常識ですが、(筋トレも一緒で闇雲にワークアウトするよりも、今どこに負荷をかけているのかを明確に意識するのとしないのとでは効果がまったく異なる)ホリエモンの場合は、かなりビジネスモデル・ジェネレイティング志向(business model generating oriented)といいますか、常に先端ビジネスモデルへの糸口をフックにしているのが行間から伝わってきます。

彼のようなマインドセットを持つことは最近では緩和されてきたのかもしれませんが、異端とされることが多いですよね。大手メディアの扱いなどを見れば明らかなように。
この本でも触れられているように、日本人の勤勉性(バブル期には"Japan As No.1"などと称揚されていたような)国民性は資本主義におけるアービトラージに敏感です。
だからホリエモンのようなアティチュードは忌避され、徹底的に叩き潰されます。

選書の多くがサイエンス系のノンフィクションで、ぼくも未読のものが多かったので、興味深く読ませていただいたのですが、あえて難点をいうとすればタイトルで1000冊と銘打っているわりには紹介されている本の数が少ない、ということ。
なにも本文中でその全てに言及してほしいというわけではなく、巻末にブックリストとして掲載してもよかったのではないかと。

いくつか既読のものもあって少し嬉しかったりしたのですが、phaさんの『ニートの歩き方』はつい先日、僕もブログで書いたばかりだったので。
この本に対するホリエモンの短評が爽快だった。
自殺対策が大変な官僚のみなさんにぜひ読んでほしい1冊である。
書評のなかには少なくないマンガも紹介されていて、いつ来るかなーと待っていたら案の定、後半で『グラゼニ』が取り上げられていました。
たしか以前、ダルビッシュが高給取りの野球選手を槍玉にあげて、ツイッター上で批判したファンを諭す形でプロ野球界について、その裏事情を語っていた記憶があるのですが、このマンガではそこらへんの事情がつぶさに笑うに笑えない形で描いています。
確実にナイターの見方が変わります。そして、一度くらいファームの試合に足を運んでみたくなります。

成毛眞さん

後半は『儲けたいなら科学なんじゃないの?』でもタッグを組んでいたHONZの成毛眞さんとの対談。
成毛さんのオススメ本まとめは岩波新書の『面白い本』ですね。

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成毛 眞

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<9/9追記>ご本人に御墨付きを頂きました。(SNSで何も流してないのに、ひとりでに本人の目に止まる。すんごい時代というか、なんというか)

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