前日本代表監督イビチャ・オシムさんの言葉、出自を辿った著。
著者の木村元彦さんがアジア・東欧の民族問題にもともと知悉されていたこともあって、ただサッカーにフォーカスを当てるよりも、オシムの生誕から幼少時代まで社会事情、深層をエグって導き出した言葉から編まれた本著。
とくにおもしろいと思った箇所を。
「レーニンは『勉強して、勉強して、勉強しろ』と言った。私は選手に『走って、走って、走れ』と言っている」「レーニンは『勉強して、勉強して、勉強しろ』と言った。私は選手に『走って、走って、走れ』と言っている」
「言葉は極めて重要だ。そして銃器のようでもある。私は記者を観察している。このメディアは正しい質問をしているのか。ジェフを応援しているのか。そうでないのか。新聞記者は戦争を始めることができる。意図を持てば世の中を危険な方向に導けるのだから。ユーゴの戦争だってそこから始まった部分がある」
「サッカーとは戦術が一番だと思っている監督がいるかもしれない。しかし私はムービングこそが、最も重要だと思っている」
「同時にサッカーにおいて最も大切なものもアイデアだ。アイデアのない人間もサッカーはできるが、サッカー選手にはなれない。でもアイデアは練習だけでは身に付かない。鍛えられない。バルカン半島からテクニックに優れた選手が多く出たのは、生活の中でアイデアを見つける、答えを出していくという環境に鍛えこまれたからだろう」さいごに、オシムのドキュメントを「世界を憂う哲学者のような、その表情」
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