Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2012年10月26日金曜日

読書『失われた世界』コナン・ドイル著


「シャーロック・ホームズ」シリーズで知られるコナン・ドイルSFの金字塔『失われた世界』を読みました。
コナン・ドイルといえば作家として世界で超有名ですが、ボディビルでも超一流だったらしく、このエントリーが秀逸です。
この読んでいる時の得も言われぬワクワク感は子どもの頃に『エルマーの冒険』を読んでいた時の気持ちと何ら変わりません。



地図を差し込んでくるあたりも、エルマーと同じ。

主人公のマローンはグラディスという女性に静かに心を寄せていて、ある晩彼女が言ったひょんな一言が彼の男心に日を点け、彼を危険な冒険の旅へと駆り出します。
この辺り、人間を突き動かすのは異性の何気ない言動だったりするのは、いつの時代も変わらないと。

新聞記者のマローンと旅を共にするのは著名な動物学者のチャレンジャー教授、比較解剖学者サマリー教授(チャレンジャー教授といつも口論が絶えない)、世界的な冒険家であるロクストン卿、現地の従者としてサンボなどの屈強な若者数人。

未開の地、特に人が踏み入れたことがなく、先史時代の生き物たちが今も生きながらえてるという「失われた世界(Lost World)」を目指して。


鬱蒼と骨張った木々をくぐり抜けていく感じ、"あちら側の世界"には決していないジュラ紀の動物たちとの邂逅。本来ならば「ジュラシックパーク」などを想起すると思うのですが、僕は何故か電波少年のヒッチハイクの旅の有吉を主人公のマローンに投影していました笑


奥へ奥へと進んでいく。すると絶滅したはずのダイナソーたちの息吹が聞こえてくる。
人と猿類の中間とされる「ミッシングリンク」らしき影。はっきりと確認された翼竜の大群、巣窟。「藤岡弘、探検隊」とはワケが違います。笑
分け入っていくにつれ、さきにここを訪れたとみられるメイプル・ホワイトの目印を見つける。(彼は以前、部族の小さな村で死体で発見される。彼が持っていたスケッチブックがことの始原なのだが...)

ある地点に足をかけかけたとき、マローンが口にする一言...
「さっきまでは世界の住民だったわれわれも、今は台地の住民になってしまった。このふたつの世界ははるかに隔てられているのだ」 

驚嘆すべきは"台地"その中においても世界は二分されていたということ。
猿人(先述のミッシングリンクのような種)vs. インディアン(私達現代人とは相違がある、小柄で肌は赤色に近い)という構図。まるで「猿の惑星」の襲撃のようなバトル。

なぜかチャレンジャー教授一行も土人側(インディアン)について猿人たちと全面対決することになる。その時、サマリー教授がポツリ。
「ジョン卿。わたしはロンドンの教職をはなれてこの旅行に参加したとき、蛮族の一隊をひきいて類人猿の村を襲撃することになろうとは夢にも思わなかったよ。ほんとうにそうなんだ」
新聞記者であるマローンは旅の行程をアメリカ本土の本社にいる編集長のマッカードルに送り続ける。(その手紙が本当に当地に届いているのかも分からぬまま、一縷の望みを託して)

核心部分は伏せておきますが、物語は章ごとに怒涛の展開をみせます。
なんか読み進めるうちにネッシーがいてもおかしくないんじゃないかという気にさえなってきます。

こんなにワクワクした気持ちになったのほんとうに久しぶりだなあ。
ドイル作品もっともっと読んでみようと思います。

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